2022 Fiscal Year Annual Research Report
液体金属対流の定量可視化実験から観た地球流体核における熱物質輸送
Project/Area Number |
20K04114
|
Research Institution | Meisei University |
Principal Investigator |
熊谷 一郎 明星大学, 理工学部, 教授 (50597680)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田坂 裕司 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (00419946)
益子 岳史 静岡大学, 工学部, 准教授 (70415917)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 液体金属 / 熱対流 / 超音波流速分布計 / 感温液晶 / 可視化実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、液体金属プルームの温度場と速度場の同時可視化を目的としている。最終年度は、新型コロナ禍での移動が比較的自由になり、当初予定していた液体金属を用いたレイリー・ベナール対流実験を本格的に実施することが可能になった。まず、液体金属対流実験用の薄型矩形水槽の設計を改めて見直し、その製作を行った。以前の模擬試験において、矩形水槽の内壁に設置する感温液晶シート内に水が浸入することがあり、これが温度場の可視化に支障をもたらしていたので、感温液晶シートに防水加工を施し、この問題を克服した。また、上下の熱境界層付近の速度分布を計測するため、小型の超音波流速分布計を設置した。 以上を行った上で、液体金属のレイリー・ベナール対流実験をRayleigh数が10^6から10^7の範囲で実施し、実験による低プラントル数流体を用いた熱対流の温度場と速度場の同時可視化に初めて成功した。現在、最終年度末に取得された実験データの解析中であるが、当初予測していた対流パターンとは異なる対流セルの長波長構造や、サブ対流セルの出現、対流の振動現象などが観察された。これらの結果速報を、可視化情報シンポジウムにおいて公表する予定となっている。 一方、紫外レーザーと蛍光粒子を用いた対流の可視化実験についても実施した。今年度は特に、相変化を伴う流体(感温膨潤性ゲルPNiPAMのサスペンション)を用いたレイリー・ベナール対流実験の可視化実験を試みた。これまで使用していた水槽で実験を行った場合、水槽壁面のアクリル板に紫外光が吸収されてしまったため、蛍光粒子を含んだ対流層に紫外光が十分到達せず、カメラで撮影するに十分な蛍光を捉えることができなかった。そのため、紫外光の吸収が少ないガラス素材の簡易水槽を用いて実験を行ったところ、ハレーションのない良好な画像を取得でき、流れ場を可視化することに成功した。
|
Research Products
(3 results)