2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of discharge surface modification method and metal 3D deposition method using sliding arc plasma
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20K04189
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Research Institution | Tsukuba University of Technology |
Principal Investigator |
谷 貴幸 筑波技術大学, 産業技術学部, 教授 (80279554)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丹野 格 筑波技術大学, 産業技術学部, 准教授 (30435391)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 放電加工 / 表面改質 / 走査加工 / パイプ電極 |
Outline of Annual Research Achievements |
放電加工は、狭い極間でアーク放電を繰り返し発生させ、これによって材料を蒸発、溶融し、材料を除去する加工法である。本研究では、加工中にこのアーク柱を滑らせるこより、入熱をコントロールしながら、電極材料を被加工物に移行させる表面改質法を提案している。具体的には、薄肉のパイプ電極を高速に回転させながら、長いパルス幅の放電の発生させ、アーク柱が材料面上を引きずるような状態を実現させることによって表面改質を実施する。放電が一点に集中した場合には、材料が溶融除去されるが、熱源が高速に移動することによって、溶融除去に至らず、電極成分のみが移行することになる。薄肉のパイプを使うことにより、放電点の高速移動に加え、消耗しやすい条件を整えることも同時に実現できる。これまでの放電表面処理は圧粉体など特殊な材料が用いられてきたが、本方法は金属パイプという一般的な工具によって実現するため、広く普及する技術になりうると考えられる。 本年度は、いくつかの材料の組み合わせによる表面改質を実行した。薄肉の銅パイプを用いた実験においては、銅色の状態での改質面の成形を実現し、走査条件等が改質面の成形特性に及ぼす影響などを明らかとした。今後は、さらなる材料の組み合わせを検討し、より堆積を厚さを厚くするための電源の開発も試みる。また、一発の放電現象に着目した現象解析なども同時に実施し、電源開発などに活用する。これらの成果に基づき、金属3Dプリンタへの発展性についても検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
提案した手法が実現できる制御を組み込んだ放電加工機を制作し、表面改質実験を実施している。アーク柱の滑り現象等の解析は、まだ十分では無いが、パイプ電極成分が被加工物表面の全面に渡って移行する現象を確認することが出来ており、おおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
ベースとなる装置製作は終了しているので、今後は改質特性を評価しながら、放電改質専用の電源の開発に取り組む。また、一発の放電による現象の解析なども経て、電源開発にフィードバックさせながら、研究を推し進める。その上で材料の組み合わせなどを検討し、放電表面処理により実現できる改質材料なども検討していく。
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Causes of Carryover |
コロナ感染症のため十分な学会活動が出来なかったことや、オンライン授業、入試に対応するための学内業務が急増したため、必要最小限の研究活動に留まった。今年度も同様にオンライ対応は実施するが、ノウハウや環境も整っているので、研究活動を活性化させる。特に研究装置の改良と電源開発に取り組むことから、これらに関わる物品を購入し実験を遂行する。
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