2021 Fiscal Year Research-status Report
精密高把持を実現するハプティックインターフェイスと力覚的知覚に関する研究
Project/Area Number |
20K04378
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
毛利 哲也 岐阜大学, 工学部, 准教授 (40418728)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾関 智恵 愛知工科大学, 工学部, 准教授(移行) (60590312)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ハプティックス / ロボット |
Outline of Annual Research Achievements |
人工現実感(VR)や拡張現実感(AR)の分野では,マンマシンインターフェイスとして操作者の手指の位置・姿勢に応じた力覚を提示するハプティックインターフェイス(HI)が現実感を再現するための重要な鍵となっている.特に硬さを提示する技術は,人と物体との物理的インタラクションを実現する上で必要不可欠である.本研究では,より現実に近い物理的インタラクションを目標として,人の指先力と同程度の力提示により拇指と示指での「しっかり」とした精密把持(つまみ)を目指す.また,より自然なVRやARを実現するため,視覚と力覚との間に存在する差異を認知科学のアプローチから明確にして差異を軽減して感覚を同期させることを目的とする.本研究では,精密把持ハプティックインターフェイスと操作者の認知過程に基づいた評価方法を確立する研究を進める. 2021年度は,電磁モータにより人間と同程度の力提示可能な単指HIを構築することを目標として,ボールネジ伝達機構を用いた3関節3自由度で指先力50Nを提示できる単指HIシステムを構築し,伝達機構の特性を考慮した制御手法を提案した.また,人のVR環境における力覚の認知過程を調べるため,線形バネにより受動的に力提示可能な1自由度HIの試作を行い,測定実験を行なった.併せて認知過程の客観的・主観的記録を収集できるような実験デザインの構築とアンケート設計を行った.その結果を元に構築方針と評価方法について検討した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度は申請時に予期していなかった新型コロナウィルスの影響で,大学では学生の研究活動が制限された.講義のオンライン化等により教員の研究活動のための時間が十分に確保することが難しく,当初予定よりも本研究課題の進捗状況がやや遅れている.2022年度は,当初計画へ補正できるように研究を進める予定である.1自由度のHI構築およびこれを用いた実験計画については,試作機を用いて事前実験を行うところまで進めた.没入型VRシミュレーションシステムへの移行のために触る対象物(オブジェクト)にふさわしい表現方法についても別途アンケート調査をおこなった.
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は,2021年度に試作した単指HIシステムを用いてマスタ・スレーブシステムを構築し,仮想環境と実機ロボットを用いて物体に触れたときの知覚に差異が生じるかを評価することを目標とする.人の意思決定への影響を測るための没入型VRシミュレーションシステムについては,2021年度に行なった事前実験及び調査をもとに構築して実験を行う予定である.試作機の実験で得られた事例をもとに,安心安全に実験調査を行えるよう実験計画を点検し,実施に移す.
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Causes of Carryover |
2021年度は申請時に予期していなかった新型コロナウィルスの影響で,当初計画していた本研究課題を全て実施できなかった.また,学術講演会や展示会等への参加が困難であったため,次年度の使用額が発生した.2022年度には2021年度に残っている課題と当初予定の2022年度分の研究課題を実施する.
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