2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of practical water purification system using water cavitation and plasma
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20K04446
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
猪原 哲 佐賀大学, 理工学部, 准教授 (90260728)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺東 宏明 岡山大学, 自然生命科学研究支援センター, 教授 (00243543)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 放電プラズマ / 水質浄化 / キャビテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
循環型社会と安全安心が担保された社会を世界的な視点で実現するためには,水質浄化を含めた水処理は必須の課題であるものの,高度化・多様化した現在は,既存の水処理技術では限界がある。本研究は,水中プラズマを使った水処理装置の実用化を目指したものである。独自のプラズマ発生方式である「水中キャビテーション放電」を採用し,実用化のために必要な知見を明らかにすることを目的とした。当初の2020年度の実施計画は,プラズマリアクタの設計・試作を行い,プラズマ発生テストおよび殺菌効果の実証することであった。 今年度の初期の研究において、実際の現地の被処理水の導電率(約50mS/m、国内の約5倍)を想定した電極設計とリアクタ設計が必要になることが分かった。これを受けて、イオン交換樹脂カートリッジを水処理装置に組み込み、プラズマ発生を促進する方法を検討したが、必要流量と水圧との関係からさらに検討が必要であることが分かった。高導電率中でも十分なプラズ発生が得られるためには、電極部でのキャビテーション気泡量を増加させる必要がある。3Dプリンターを用いて各種条件のリアクタを製作し、電極設置条件に対する気泡発生量の最適条件を実験的に調べた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度の研究開始時において、水処理装置の設置を想定している現地(ASEAN諸国)の被処理水の導電率が約50mS/m以上(国内の約5倍以上)であることが判明し、この導電率を想定した電極設計とリアクタ設計が必要になることが分かった。これを受けて、電極部でのキャビテーション気泡量を増加させる方法の検討が必要であることが分かった。この検討のために、電極間の気泡量を相対的に評価する方法を考案した。この評価方法を使って、各種条件のリアクタを3Dプリンターで製作し、電極設置条件に対する気泡発生量の最適条件を実験的に調べた。その結果、おおむね最適条件を把握することができたが、電極を多対化した場合の検討がさらに必要である。さらにこれを補足する方法として、イオン交換樹脂カートリッジを水処理装置に組み込み、プラズマ発生に十分な導電率まで下げる方法を検討した。イオン交換樹脂カートリッジを使えば、1パスで十分にプラズマ発生できる程度まで導電率を低下させることができることが分かったが、必要流量と水圧との関係からさらにさらに検討が必要であることが分かった。 2021年度の当初計画は,①実用レベル性能の実証機の設計,②実証機の殺菌試験(電極寿命試験を兼ねる),③目標仕様の達成状況の最終判断および設計指針の整理,の3項目を挙げていたが、ほぼ①の内容を実施することになったため、「やや遅れている」と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
高導電率の被処理水に対応するため、気泡発生量の最適化(最大化)を図る。そのために、水圧測定結果も検討事項に加えて、より定量的な条件の下での最適化を実施する。また、イオン交換樹脂カートリッジを装置に実装することを試み、よりプラズマ発生を促進させるための検討を行う。これらの検討結果を踏まえ、電極を多対化して、プラズマ発生体積を増加させ、1パス処理を実現するための条件を検討する。
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Causes of Carryover |
研究の進行上,消耗品,特に殺菌性能をテストする実験での試薬関係の支出で余りが生じた
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