2022 Fiscal Year Annual Research Report
視覚障害者の曲面壁空間における空間把握に関する研究
Project/Area Number |
20K04840
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
亀谷 義浩 関西大学, 環境都市工学部, 教授 (30319610)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 視覚障害者 / 曲線状経路 / 空間把握 / 経路探索 / 探索行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、視覚障害者の曲面壁空間における空間把握を明らかにすることであり、実験空間にて歩行調査をしてきた。被験者は、全盲の視覚障害者およびアイマスクを装着した健常者である。まず、2020年度では、歩行空間の床材について、様々な建築床材料を試料として用い、視覚障害者の材料識別の認識を明らかにした。実験経路は、5mの直線を2種類の異なった試料の上を歩行するものである。視覚障害者、アイマスクをした健常者ともに試料の相違を識別することは容易であったが、試料の材料を認識することは困難であった。また、カーペットのような材料は安全と感じることが分かった。2021年度では、床に点字ブロックを曲線状に敷設し、点字ブロックに沿って歩行することで、経路の把握や方向の把握を明らかにした。実験経路は、直線および曲率半径が異なる3種類の曲線経路で右曲がりと左曲がりがあり、全7種類である。床材はカーペットである。視覚障害者、アイマスクをした健常者ともに、直線経路においては曲線と誤認することや曲線経路においては反対方向に曲がっていると誤認することがあることが分かった。2022年度では、段ボールパネルで作製した曲面壁空間において、この壁面に沿って歩行することで経路の把握や方向の把握を明らかにした。実験経路は、2021年度の実験と同様の経路であるが、壁面が被験者の右側にある場合と左側にある場合があり、全14種類である。 2022年度の実験の結果については、現在分析中ではあるが、2021年度の実験結果と比較しながら考察し、分析が終わり次第、発表をし、学術論文に投稿したいと考えている。2021年度の点字ブロックを曲線状に敷設した実験の結果については、令和4年9月の日本建築学会大会にて発表をし、令和5年3月には学術論文である日本建築学会計画系論文集に採用され公表されている。
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Research Products
(2 results)