2020 Fiscal Year Research-status Report
空き家の要因別の負の影響及び空き家集積による地域価値下落効果の実証的研究
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20K04847
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Research Institution | National Graduate Institute for Policy Studies |
Principal Investigator |
下村 郁夫 政策研究大学院大学, 政策研究科, 名誉教授 (00206244)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅見 泰司 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (10192949)
福井 秀夫 政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (60251633)
中川 雅之 日本大学, 経済学部, 教授 (70324853)
森岡 拓郎 長崎県立大学, 地域創造学部, 講師 (80725507)
吉田 修平 公益社団法人都市住宅学会(都市住宅研究センター), 都市住宅研究センター, 研究員 (00727852)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 空き家問題 / 空き家対策 / 空き家対策特別措置法 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、空き家問題に関する近年の文献とマス・メディアの報道などを調査することによって、最近の空き家問題の状況を把握し、また空き家対策の事例を確認するとともに、空き家対策に関する新たな政策的提案の内容を検討した。また、顕著な空き家問題を抱える地方公共団体を対象に電話で聞き取り調査を行い、当該地方公共団体における空き家問題の状況、また空き家対策の現況と今後の対応を把握した。 その結果、どの地域においても空き家問題が深刻である状況に変わりはなく、また、地域によって違いはあるが、空き家は増えつつあることが明らかになった。一方、すべての地方公共団体がこの問題に対処するための空き家対策を考慮しているが、空き家の状況によって対応方針は異なること、地方公共団体が空き家対策を推進する上では「空家等対策の推進に関する特別措置法」(空家等対策特別措置法)が大きな支えになっていることが明らかになった。 他方で、昨年はコロナ・ウィルスによる被害の拡大とさらなる拡大の懸念から、都市部の企業を中心にテレワークやリモート・ワークが広がったことから、一部の地域の空き家には都市部からの移転者の入居があり、地方公共団体の中には、これを空き家対策としてとらえて推進しようとするところがあることが判明した。 そこで、これらの状況を勘案し、空き家問題として総括されている問題をさらに細分して、それぞれの問題ごとに関連する要因を検討するとともに、それぞれの問題に対処するための方策について理論的検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度は空き家がもたらす要因別・程度別の外部不経済や空き家の集積が与える影響などを知るために、現地調査を予定していたが、コロナの影響によって実施が不可能であったので進捗が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、コロナ対策の進展を見ながら、関連する文献の収集を行うとともに、その分析を行い、空き家がもたらす地域生活への影響の分析を行う。
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Causes of Carryover |
2020年度は前述のように、コロナの影響によって地方における現地調査が不可能であった。このため、予定していた年度内支出を行うことができなかったものである。 2021年度は、コロナ対策の進展に応じて現地調査の可能性を探るとともに、理論的研究を進める予定である。
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Research Products
(25 results)