2023 Fiscal Year Research-status Report
民間活力を活かした社会的課題解決に貢献する公共空間の創出方策に関する基礎的研究
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20K04866
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
杉田 早苗 岩手大学, 農学部, 准教授 (90313353)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 都市公園 / Park-PFI / 社会的課題解決 / 民間活力 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、研究全体とりまとめに向けて、1・2年目に実施したアンケート調査結果のとりまとめを行った。対象26公園の当該自治体および民間事業者、計52団体にアンケートを郵送し、自治体23団体(88%)、民間事業者16団体(73%)から回答を得た。維持管理・運営への関与状況から各施設の管理運営主体を整理したところ5つに分類でき、公募対象公園施設・特定公園施設・その他の公園敷地のすべてをPark-PFI事業者が担っている場合が最も多く(9事例)、次いで公募対象公園施設・特定公園施設をPark-PFI事業者に、その他の公園敷地は指定管理者に委託している場合が多かった(8事例)。市民参加の実施状況では、自治体では18事例で何らかの参加の機会を設けており、その多くは事業発案・事業化検討段階におけるアンケート調査等によるものであった。また、民間事業者では、16団体のうち10の団体で市民意見の聞き取りを事業に反映させる取り組みを行っており、行政が実施したアンケート結果を活用した団体がある一方で、独自にヒアリングや意見収集の機会を積極的に設けている事業者もあった。地域的・社会的課題への対応状況では、4自治体が当該事業公園の枠を超えて、地域や社会的な課題への解決を検討していた。また、民間事業者では、6団体が実際に事業の中で地域的・社会的課題解決に取り組んでいる、あるいは検討しているとの回答があった。地域的・社会的課題解決について、自治体と民間事業者の意識や取り組みを比較すると、自治体及び民間事業者の両者とも積極的な取り組みがなされていない事例と、民間事業者が独自に社会的・地域的課題解決の取り組みを行っている事例に分類でき、後者においては、自治体はそうした課題への取り組みについて特に意識することなく民間事業者の裁量に任せている現状が把握され、両者の意識に温度差がある事例も見られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ヒアリング調査を希望する団体及び自治体との調整がうまくいかず、実施を予定通りに実施できなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、ヒアリング調査の対象選定事例を増やし、調整を優先することでヒアリング調査の実施を推進するとともに、研究全体のとりまとめを行う予定である。
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Causes of Carryover |
ヒアリング調査実施ができなかったことにより、出張費の未使用額が発生した。ヒアリングの実施にかかる旅費に使用する予定である。
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