2020 Fiscal Year Research-status Report
豊臣政権による寺社造営とその技術・体制に関する建築史的研究
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20K04903
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| Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
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Principal Investigator |
登谷 伸宏 京都工芸繊維大学, デザイン・建築学系, 准教授 (40447909)
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| Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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| Keywords | 豊臣政権 / 寺社造営 / 建築技術 / 東山大仏殿 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、豊臣政権による寺社造営の特質を技法・工法・造営組織の視角から明らかにすることを目的としている。
令和2年度は、①豊臣秀吉による東山大仏殿の造営の過程と、そこで用いられた技法・工法・造営組織について検討すること、②豊臣政権による寺社造営に関する史料収集、③中世から近世にかけての寺社建築の変化に関する史料収集、④①から③に関するデータベースの構築を計画していた。
以上の研究目的・計画にもとづき当該年度は以下の２つのテーマを設定し研究を行った。第１が、東山大仏殿の造営について、その過程・技法・工法・造営組織に関わる史料を収集することである。東山大仏殿の造営に関わる史料は、現在刊行中の『豊臣秀吉文書集』から抜粋するとともに、公家や僧侶の日記などから造営に関わる記述を収集し、それをPCに入力することによりデータベースの構築を進めた。さらに、文化財建造物の修理工事報告書から墨書などを収集し、それらについてもデータベースを作成した。以上の作業については、本研究課題開始前からある程度進めていたこともあり、本年度中に学術論文などを執筆することができた。
第２が、豊臣政権による寺社造営に関する史料、および中世から近世にかけての寺社建築の変化に関わる史料の収集である。前者については、自治体史などから史料を収集しその情報をPCに入力したが、他府県への不要不急の出張を自粛しなければならない期間が断続的に続いたことから、首都圏の史料所蔵機関での調査ができなかった。そのため当初の計画通りには進められなかった部分がある。後者については、文化財建造物の修理工事報告書などから情報の収集を行い、その情報をPCに入力した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和２年度は、豊臣秀吉による東山大仏殿の造営について学術論文などの成果を出すことができた。一方で、他府県への不要不急の出張を自粛しなければならない期間が断続的に続いたため、史料収集について十分に行えなかった。
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| Strategy for Future Research Activity |
今後は、以下の作業を進める予定である。
１）中世から近世にかけての寺社建築の変化に関する史料収集
昨年度から、当該期の仏堂の平面形式・構造形式について文化財建造物の修理工事報告書、自治体史などから情報を収集しており、今年度もそれを継続する予定である。
２）豊臣政権による寺社造営に課する史料の収集
現在、首都圏の史料所蔵機関における文献調査が困難であるため、自治体史や地誌、文化財建造物の修理工事報告書などから情報の収集を進める予定である。
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| Causes of Carryover |
今年度の経費には、研究期間中いつでも支出できる独立基盤形成支援分が計上されているため、次年度使用額が生じている。支援分については、次年度以降も独立基盤形成のため、研究設備の充実、研究図書の購入に充てる予定である。
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