2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20K05086
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
藤井 孝太郎 東京工業大学, 理学院, 助教 (30635123)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 酸化物イオン伝導体 / 結晶構造解析 / 新材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題は,Csをはじめとする比較的大きなイオンを含む新しいイオン伝導体を探索し,実際に発見した材料についてX線回折や中性子回折をはじめとする手法で構造とイオン伝導の関係を明らかにし,イオン伝導体の構造科学を発展させることを目的としている. 2022年度は,比較的大きな陽イオンを含むイオン伝導体について,異種元素を部分的に置換させることでプロトン伝導を抑制し,酸化物イオン伝導度を向上させた材料を見つけることができた.この材料については,高温で中性子回折測定を行い核密度分布の解析も行うことで,イオン伝導経路も明らかにすることができた.また,四配位をとるカチオンとしては比較的大きいGeを含む材料について,結合原子価法によるスクリーニングを通し,酸化物イオン伝導体の新構造ファミリーを発見することにも成功した.スクリーニングで候補材料を選定し,固相反応法による合成,電気化学測定,分光測定などを通し,実際に酸化物イオン伝導性があることを発見した.また,一部の元素を異種元素に置換することで構造中に酸素空孔を導入し,イオン伝導度を上げることにも成功した.その結晶構造は,単結晶X線回折法により明らかにし,結合原子価法による計算から,イオン伝導経路について考察した.GeO4四面体が点共有でつながったGe3O10ユニットに沿って酸化物イオンが移動する経路が示唆され,このような多面体のユニットが今後のイオン伝導体探索においても重要な構造的特徴となることを示した.
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Research Products
(22 results)