2023 Fiscal Year Annual Research Report
Understanding and control of silicon surface oxidation by supersonic molecular beams and synchrotron radiation real-time photoelectron spectroscopy
Project/Area Number |
20K05338
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
吉越 章隆 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 物質科学研究センター, 研究主幹 (00283490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨永 亜希 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 物質科学研究センター, 技術・技能職 (50590551)
津田 泰孝 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 物質科学研究センター, 博士研究員 (50869394)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | シリコン / 表面酸化 / 酸素 / 放射光分析 / 光電子分光 / その場観察 / ガス雰囲気 |
Outline of Annual Research Achievements |
IoTやAI等を活用したSociety5.0社会の実現には、高速演算処理、大容量記録、情報通信処理デバイスの小型、高性能、省電力化が必須である。これらの多くに電界効果型トランジスター(MOS-FET)が基本素子として広く使われている。シリコン(Si)MOS-FETにおいては、Si酸化絶縁膜が重要であり、その膜厚は原子数層に至っている。更なる微細化、高性能化にとって、酸化絶縁膜形成の原子レベルの理解と制御が不可欠と考えられる。本研究では、主に放射光表面分析と超音速酸素分子線を組み合わせてSi表面酸化の理解と制御を目指した。具体的には、酸素分子の並進エネルギーや酸素ガス圧力などの酸化条件に依存した酸化物をSPring-8の軟X線放射光光電子分光によって調べた。並進エネルギーよって酸素分子の解離吸着反応を変え、吸着状態や酸化物の違いから効率的な酸化膜形成や高品質酸化膜の実現に必要な反応条件を探索する。これらの学理に基づいてエネルギー消費の少ないデバイス製造技術の実現やデバイス作成条件の効率的な決定といった技術開発力の強化に貢献することを目指した。 令和5年度では、酸素ガスや水によるシリコン表面の酸化速度や酸化価数の温度、圧力、不純物などの依存性の調査を進め、酸化物と界面歪および電子状態の関係を詳細に検討した。酸化に伴う放出Si原子、分子状吸着種、キャリアー(電子・正孔)の役割を調べる補足実験とリアルタイム観察で得た膨大なスペクトル解析とその考察を進めた。補足実験に並行して、準大気圧対応可能な顕微機能付き電子エネルギーアナライザーを新規に導入し、既存の約1000倍の数Pa程度までの圧力環境下でのその場における光電子分光観察を可能とした。超高真空から数Paまでのガス雰囲気および分子線を活用した多様な表面反応条件に対する実験環境を整備し利用研究を開始するとともに関連研究の発表を進めた。
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Research Products
(32 results)