2021 Fiscal Year Research-status Report
Improvement of planar bilayer lipid membrane system for ion channels activity recordings using cell-free synthesized ion channel protein array.
Project/Area Number |
20K05709
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
竹田 浩之 愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 准教授 (40609393)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | イオンチャネル / 脂質平面膜電位測定技術 / 無細胞膜タンパク質合成技術 / プロテインアレイ |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、イオンチャネルアレイの整備を行った。かずさDNA研究所から提供された231種のヒトチャネルタンパク質遺伝子をもとに、219種について無細胞合成用DNA鋳型を作製した。内訳は、カリウムチャネル 82種、カルシウムチャネル 20種、ナトリウムチャネル 11種、TRPチャネル 19種、ギャップジャンクションタンパク質 19種、カチオンチャネル 34種、アニオンチャネル 24種、アクアポリン 10種であった。チャネルタンパク質をコムギ無細胞系で転写、翻訳した。ウェスタンブロっティングで合成結果を確認したところ、205種で標的チャネルのバンドが確認された。 イオンチャネルアレイの品質を確認するため、38種のカリウムチャネルαサブユニットのチャネル活性を脂質平面膜法を用いて実施した。複数回の測定試行の結果、30種のチャネルで何らかの電流シグナルが認められた。電流シグナルが確認されたカリウムチャネルのうち、数種類のチャネルについては詳細な解析を実施した。複数の電圧における単一チャネル電流値からI-Vプロットを作成した。その結果得られたコンダクタンスの平均値は報告されているコンダクタンスに合致した。 一方で、カリウムチャネルとは別のチャネルの測定方法についても検討を行った。昨年に続いてカルシウムチャネルCACNA1S、CACNA1Hの合成と活性測定を試みた。両チャネルとも組換えタンパク質の合成は確認できたが、チャネル活性については不均一なスパイク状の電流ピークが不規則に検出されるものの、安定した矩形型のシグナル測定には至らなかった。ほかに、ナトリウムチャネルやTRPチャネルについても組換えタンパク質の合成は確認できたものの、詳細な解析に耐えうる安定したシグナルの検出はできなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
イオンチャネルアレイの作製を実施し、209種について組換えタンパク質の合成を確認した。カリウムチャネル、カルシウムチャネル、ナトリウムチャネル、TRPチャネルの活性評価を行ったことで、計画していた目標は達成したと判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
イオンチャネルアレイ209種類の無細胞合成に成功したことから、最終年度は作製したアレイの応用について検討する。具体的には、ヘテロ複合体をつくるチャネルの活性測定を試みたり、無細胞合成チャネルを抗原として用いて抗体作製を進める。
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Research Products
(8 results)