2020 Fiscal Year Research-status Report
マルバカイドウにおけるリンゴ高接病発症メカニズムの解明
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20K06039
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
森谷 茂樹 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 果樹茶業研究部門, 主任研究員 (90391474)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北本 尚子 秋田県立大学, 生物資源科学部, 准教授 (70447241)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 果樹 / リンゴ / 病害抵抗性 / ウイルス病 / 遺伝子発現 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.Cv2のファインマッピング これまでに育成・選抜したCv2周辺領域の組換え型個体27個体について、各3本の接ぎ木苗を養成し、そのうちの2本にACLSVのP-203株を保毒する穂木を腹接ぎすることで、ウイルス接種を行った。春に展開後間もない葉の病徴を観察して、抵抗性/免疫性の予備診断を行ったところ、11個体が免疫性(cv2cv2)、16個体が感受性(Cv2cv2)と判定された。また、リンゴ「ゴールデンデリシャス」倍加半数体系統のゲノム情報を利用して、現在の候補領域からSSRマーカーを25種類設計した。これらについて、供試集団での多型を調査したところ、14種類をマッピングに利用可能であることが判明した。 2.Cv2候補領域の塩基配列の決定 Cv2候補領域の塩基配列を解読するため、BACライブラリーの作成を行った。具体的には、まずCv2を有するマルバカイドウの後代「No.609」の葉を採取し、抽出したゲノムDNAをHindIIIによって断片化した。各断片はベクタープラスミドに挿入した。ベクターは大腸菌に導入したのち、55,295クローンを384プレート144枚にピックアップした。さらに、各プレートのクローンをバルク化してプラスミドDNAを抽出し、クローンをスクリーニングするためのスーパープールを作成した。パルスフィールド電子泳動で求めた平均インサート長は168kbであった。結果として、リンゴゲノム(約750Mb)の12倍のカバレッジを持つBACライブラリーが完成した。 3.Cv2候補遺伝子の同定 次年度以降の遺伝子発現解析に用いるために、免疫性個体および感受性個体から幼葉のサンプリングを行った。サンプルはマイナス80℃の冷凍庫に保存した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
表現型の検定を計画していた分離集団について、表現型の予備診断を行えた。また、ファインマッピングに利用するSSRマーカーについても必要数を開発できた。このため、次年度以降、表現型の確定診断とともに迅速なファインマッピングが可能であると判断される。 また、BACライブラリーの整備も完了した。このため、ファインマッピングの結果が得られ次第、候補領域を含む大腸菌クローンのスクリーニングを進めることが可能である。 さらに、遺伝子発現解析用のサンプルも蓄積することができた。 以上のように、今年度の計画については順調に進行しているため、研究の進捗はおおむね順調であると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はCv2のファインマッピングを行い、候補領域の絞り込みを優先的に行う。目標としては、単一クローンで候補領域をカバーできる100kb以内への絞り込みを目指す。また、候補領域を明らかにでき次第、BACライブラリーを利用して、候補領域を含むクローンを同定する。可能であれば、No.609の感受性染色体に由来するクローンと免疫性染色体に由来するクローンの2種類を同定し、塩基配列の相互比較に利用することを目指す。 遺伝子発現解析用サンプルの採取については、さらに継続する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う学会開催方法の変更に伴い、旅費の使用がなかった。令和3年度に研究を推進するため、材料の維持管理および分子生物学実験に必要な試薬・器具類の購入に、物品費として使用する。
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Research Products
(2 results)