2022 Fiscal Year Annual Research Report
マルバカイドウにおけるリンゴ高接病発症メカニズムの解明
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20K06039
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
森谷 茂樹 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 果樹茶業研究部門, 上級研究員 (90391474)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北本 尚子 秋田県立大学, 生物資源科学部, 准教授 (70447241)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 果樹 / リンゴ / 病害抵抗性 / ウイルス病 / 遺伝子発現 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.Cv2候補領域の塩基配列の決定 昨年度までに獲得した、Cv2領域を包含する9個のBACクローンについてPacBioRSIIによって塩基配列の解読を試みたところ、候補領域の中心部分を含むと予想されるクローンの塩基配列のアセンブルに失敗した。この原因として、100kbを越える大きな重複配列が挿入されていることが考えられた。各クローンの末端配列を比較したところ、重複が疑われる領域内の約12kbについて塩基配列の解読がなされていないことが判明した。そこで、当該領域をロングPCRによって増幅し、ダイレクトシーケンスによるプライマーウォーキングを実施して、塩基配列を明らかにした。その結果、Cv2候補領域は約296kbであることが明らかとなった。この長さは、領域両端のDNAマーカーで比較するとリンゴゲノム情報GDDH13上での約94kb、本研究で得た抵抗性のcvクローンの81kbと比べて、約3~3.5倍の長さであった。Cv2候補領域には、挿入箇所直前の塩基配列が2~4回重複して挿入されていた。 2.Cv2候補遺伝子の発現解析 上記で明らかにした候補領域には、病害抵抗性遺伝子の特徴を備えた遺伝子が複数予測された。そこで、重複領域内でこれらの遺伝子がどのように存在しているか調べたところ、完全な配列が残っている遺伝子(パラログ)が1~3コピー存在していることが判明した。これらのパラログを特異的に検出できるプライマーを設計してcDNAからの増幅を試みたところ、いずれの遺伝子も葉での発現が認められた。 研究期間全体を通して、Cv2の座乗候補領域を300kb以下に絞りこんだ。領域内に見いだしたCv2候補として有力な複数の遺伝子の発現を確認した。しかしながら、原因遺伝子を特定するには至らなかった。
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