2021 Fiscal Year Research-status Report
Identification and functional analysis of antibacterial proteins isolated for plant pathogen control.
Project/Area Number |
20K06059
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
浴野 圭輔 崇城大学, 生物生命学部, 教授 (30310030)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | Bacillus thuringiensis / 抗菌タンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
ジャガイモの主要な植物病のひとつであるそうか病は、表皮にかさぶたのような病斑が現れることから見た目が劣るため商品価値を失う。その主な原因菌であるStreptomyces scabiesは、寄主作物に依存せずに土壌中で長期間生存して土壌伝染するため難防除土壌病害の代表とされている。これまでに本植物病原菌に対して抗菌活性を示すBacillus thuringiensis A297株の培養上清から抗菌タンパク質を精製した。その結果、本菌は約15kDa (AMP24) と約8kDa (AMP28) の2種類の抗菌タンパク質を生成し、これまでに抗菌タンパク質として報告がない、新規な生物活性タンパク質であることが明らかとなった。SignalP解析からAMP24には30残基のシグナル配列が、AMP28には23残基のシグナル配列と16残基のプロ配列が存在していた。次に、pET32bによる大腸菌による異種発現系の構築を行った。全長の配列、活性型配列、シグナル配列のみを除いた配列それぞれの遺伝子の発現系を構築した。その結果、AFP24はシグナル配列を除いた遺伝子において、AFP28はシグナル配列を除いたプロ配列と成熟配列を含む遺伝子による発現系においてタンパク質の発現を確認した。また、37℃、25℃、18℃による発現誘導の結果、18℃においてのみ発現が見られ、そうか病菌に対する抗菌活性を確認した。しかしながら、SDS-PAGEによる結果から発現量が低いことがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Bacillus thuringiensis A297株からジャガイモそうか病菌に対して抗菌活性を示す2種類のタンパク質(AMP24、AMP28)を精製した。遺伝子クローニングの結果、これらはデータベース上に配列情報としてはすでに報告されていたものの機能未知タンパク質として報告されているタンパク質であった。これら抗菌タンパク質の機能解析を実施するにあたり、大腸菌による遺伝子発現系の構築を行った。両遺伝子はシグナル配列、さらにAMP28はプロ配列を含んでいることから、目的遺伝子の全長配列をはじめさまざまな遺伝子配列の発現系を構築した。その結果、AMP24、AMP28ともに目的タンパク質の発現を確認し、抗菌活性についても確認できた。遺伝子発現系を構築することができたが、発現量が少ない結果であった。
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Strategy for Future Research Activity |
大腸菌による発現系の構築を行ったが、発現量が少なかったことから近縁種であるBacillus subtilisやBrevibacillusを宿主とした発現系を検討する。次に、取得した抗菌タンパク質の作用機構について解析するため、蛍光分子プローブを用いて細菌の生死について蛍光染色法による判定を行う(CTCを用い、呼吸活性により還元され赤色蛍光色素を検出する)。また、同様に細胞膜の損傷の有無についても蛍光染色法によって解析を行う(PIを用い、膜損傷がある場合のみ細胞内に透過して核酸を染色する)。
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Causes of Carryover |
コロナウイルス感染症対策の対応等により、想定どおり研究課題に取り組むことができず、予定していたほど試薬、消耗品を使用できなかった。次年度使用額とあわせて試薬、プラスチック製品等の消耗品を主として使用する予定である。
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Research Products
(2 results)