2022 Fiscal Year Annual Research Report
Landscape-scale evaluation of forage area in European honey bees
Project/Area Number |
20K06118
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
大久保 悟 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農業環境研究部門, グループ長補佐 (30334329)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | セイヨウミツバチ / 尻振りダンス / リアルタイム解析 / 採餌範囲推定マップ |
Outline of Annual Research Achievements |
高フレームレートカメラと安価なエッジコンピューターを用いたミツバチ尻振りダンスのリアルタイムでの自動解読システムを完成させた。手動での読取りと比較して解読精度を評価した結果、高い抽出精度であることがわかった。ダンスの継続時間が短いとダンスの向きの角度の解読精度が悪い結果となったが、ブートストラップ法により生成される採餌範囲の確率マップを手動解読と比較すると既存の解析プログラムより一致度が高くなった。このことから、後処理なくリアルタイムで採餌範囲を推定するシステムとして実用化の可能性が高くなり、特許出願を行った。このシステムを用いることで、長時間、高頻度でのダンス自動解読による採餌場所推定が可能となり、これまで明らかになっていなかったセイヨウミツバチの採餌行動を詳細に把握することができた。一例に、分蜂前後で採餌行動が大きく変化することを明らかにした。具体的には、分蜂前の大きな蜂群の状態ではダンス回数が朝から夕方にかけて持続的に多く、採餌範囲も広かった一方で、分蜂後はダンス回数が午前中から昼ぐらいまで活発であるが、夕方になるとほぼダンスが確認されなくなり、採餌範囲も小さくなった。これは、分蜂後は蜂群の規模が小さくなるために、必要とされる資源量が少なくなり、それに合わせて働きバチの採餌活動が抑制されたと考察された。また、大規模で好適な蜜源植物(例えばシロツメクサなど)がある場合には、終日採餌場所が変化しないなど、好適な蜜源植物の分布や量に関してもダンス解析結果から把握できることがわかった。
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