2021 Fiscal Year Research-status Report
マツ材線虫病の病理理解に資する抵抗性クロマツ樹体内の病原体の分布と増殖特性の解明
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20K06130
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Research Institution | Aomori Prefectural Industrial Technology Research Center |
Principal Investigator |
中島 剛 地方独立行政法人青森県産業技術センター, 農林部門, 主任研究員 (60743771)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井城 泰一 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所 林木育種センター, 主任研究員 等 (40370845)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | マツ材線虫病 / マツノザイセンチュウ / マツ材線虫抵抗性クロマツ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、病原体マツノザイセンチュウを接種した抵抗性クロマツの樹体内における線虫の詳細な分布の経時変化の調査により、線虫非感染で再増殖可能な穂が採取できる接種後の期間などの条件を特定すること、さらに、接種線虫の詳細な分布を評価できる技術を開発することを目的としている。本年度は、複数系統の抵抗性クロマツ接ぎ木苗の主軸にマツノザイセンチュウを接種し、生存率に有意差がなかった3系統について生存苗を採取し、枝齢別にLAMP法(マツノザイセンチュウのDNA検出)による感染確認とベールマン法により抽出された個体数の調査を実施した。また、接種線虫の樹体内分布の詳細を評価できるイメージング解析の手順を整備した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
複数系統の抵抗性クロマツ接ぎ木苗を対象とした接種試験の結果、各系統の生存率や系統間の順位は概ね過年度に実施した予備試験の結果と同等であったことから、本年度の接種試験は適切な条件で実施できたと考えている。また、枝齢別のDNA検出調査と個体数調査を実施した結果、何れの系統においても大部分の主軸や枝から線虫DNAが検出されること、主軸の接種位置付近から生存線虫が確認されることなど以前と同様の結果が得られた。さらに、イメージング解析についても手順を整備できたため、おおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
経時的に採取した接種苗(生存)を対象に、枝齢別の分析を実施することで、系統の生存率の違いと接種線虫の樹体内分布の特性について詳細を検討する予定である。これらの結果を活用して抵抗性品種開発の高度化やより強い抵抗性品種による採種園の改良に繋げたい。
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Causes of Carryover |
イメージング解析において、データの取得や解析手順の整備に時間を要し、複数試料からのデータ取得ができなかったため次年度使用額が生じた。複数試料をイメージング解析するためのデータ取得に支出予定である。
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