2022 Fiscal Year Research-status Report

Land-based cultivation of Analipus japonicus

Research Project

Project/Area Number	20K06189
Research Institution	Kitasato University
Principal Investigator	難波信由北里大学, 海洋生命科学部, 准教授 (20296429)
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha)	清水恵子北里大学, 海洋生命科学部, 助手 (80710376)
Project Period (FY)	2020-04-01 – 2024-03-31
Keywords	褐藻マツモ / 周年生産 / 閉鎖式陸上生産
Outline of Annual Research Achievements	令和4年度には、微小糸状体を株とした以下の研究を実施した。(1)無基質株の生産(研究代表者、分担者):株の大量生産を目的として水温20℃、光量100μmol/㎡/秒、長日、高密度下の微小糸状体断片（約30万断片/L）を5週間培養し、面積0.07m㎡の種苗生産用株（微小糸状体の細胞塊）を1,2000藻体/L生産した。また、分担者が実施したクロスチェック実験でも同様な結果が得られた。(2)無基質株の冷蔵保存(研究代表者)：冷蔵条件下での株保存は困難であった。そこで、水温20℃、光量25μmol/㎡/秒、長日下で微小糸状体を保存し、半年後の藻体が活性を保持していることを確認した。(3)無基質種苗の生産（研究代表者、分担者):種苗生産への水温と光周期の影響を把握するため、前述(1)で生産した株（100藻体/L）を水温5-10℃、光量100μmol/㎡/秒、短日と長日下で8週間培養し、水温5-10℃の短日下で高い能力（形成率70%以上）が確認された。また、種苗の大量生産を目的として、前述(1)で生産した株を10℃、短日、高密度（1,0000藻体/L）下で8週間培養し、高い能力(形成率70%以上)が確認された。一方、分担者が実施したクロスチェック実験では約20%であった。(5)養殖生産に関する研究(研究代表者)：前述(3)で形成された種苗（100藻体/L）を、水温5と10℃、光量100μmol/㎡/秒、短日下で12週間培養し、両条件下の微小糸状体株から直立枝、側枝、付着器を有する成体が形成され、養殖生産の最適水温が5℃であることを確認した。(6、7)研究成果の発信と実証試験(研究代表者、分担者)：令和3年度から参加した株式会社阿部伊組と理研食品株式会社に、微小糸状体株から作成した無基質種苗を提供して養殖試験を試み、収穫サイズの藻体が形成可能であることを確認した。
Current Status of Research Progress	Current Status of Research Progress 2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned. Reason 令和4年度は、本研究課題で実施予定の(1)無基質株の生産、(2)無基質株の冷蔵保存、(3)無基質種苗の生産、(4)無基質種苗の冷蔵保存、(5)養殖生産、(6)研究成果の発信、(7)全生産工程の実証試験の中で、(4)を除く項目を実施することができ、(1)、(2)、(5)-(7)の項目では良好な結果が得られた。そこで、進捗状況を「おおむね順調に進展している」とした。
Strategy for Future Research Activity	令和4年度までに、微小糸状体を用いた(1)無基質株の生産、(2)無基質株の冷蔵保存、 (5)養殖生産、(6)研究成果の発信、(7)全生産工程の実証試験に関する研究で良好な結果が得られた（7.現在までの進捗状況に記載）。そこで、令和5年度は株式会社阿部伊組、理研食品株式会社と共同で(6)と(7)の項目を継続する。一方、(3)無基質種苗の生産に関する研究では、その再現性確立のために生産方法の検討を行い、現在まで良好な結果が得られていない(4)無基質種苗の冷蔵保存に関する研究では、保存対象や保存方法の変更を含む再検討を実施する予定である。
Causes of Carryover	理由:「7.現在までの進捗状況」に記載したように、令和3年度には(4)無基質種苗の冷蔵保存に関する研究を実施するに至らなかった。また、新型コロナウイルス感染症拡大のため旅費を支出しなかった。これらの理由で次年度使用額が生じた。使用計画:「8.今後の研究の推進方策」に記載した微小糸状体を用いた(6)研究成果の発信、(7)全生産工程の実証試験、および(3)無基質種苗の生産、(4)無基質種苗の冷蔵保存に関する研究の実施に研究費を使用する。