2020 Fiscal Year Research-status Report
X線結晶学による甲殻類急性ウイルス血症の感染機構の解明
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20K06238
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
鈴木 守 大阪大学, 蛋白質研究所, 准教授 (40280507)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | X線結晶構造解析 / 甲殻類急性ウイルス血症 |
Outline of Annual Research Achievements |
甲殻類急性ウイルス血症は、エビの養殖において最も甚大な被害が報告されている疾病であり、White Spot Syndrome Virus(WSSV)の感染により発生する。エビが感染すると3~10日のうちに100%死に至る。ウイルスがいったん養殖場に入り込んでしまうと、ウイルスを排除するためには、現状そこで飼育しているエビを全て廃棄するしかなく、有効な予防・防御方法が求められている。本申請では、感染に関係すると考えられるWSSVのVP37および感染関連分子群の立体構造をX線結晶構造解析により決定し、感染メカニズムを分子構造レベルで理解することを目的としている。 今年度は、VP37の大量発現系の構築済みであり、結晶解析に十分量のタンパク質を得る方法を確立している。現在得られているサンプルは電気泳動において不純物由来のマイナーバンドが見られるものの、すでに結晶を得ることができている。X線回折イメージを精査したとこと、構造解析が可能なデータ品質であることが明らかにできた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
VP37の大量発現系の構築済みであり、結晶解析に十分量のタンパク質を得る方法を確立している。現在得られているサンプルは電気泳動において不純物由来のマイナーバンドが見られるものの、すでに結晶を得ることができている。X線回折イメージを精査したとこと、構造解析が可能なデータ品質であることが明らかになった。
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Strategy for Future Research Activity |
位相決定はヨウ素化した結晶を用いてのI-SAD、あるいはタンパク質に含まれるチオニン、システインの硫黄原子の異常分散を利用したS-SAD、さらにセレノメチオニンを利用したSe-MADを利用する予定である。VP37分子中には4個のシステイン残基、5個のメチオニン残基が存在している。S-SADでは△F/F が0.5%以上であれば位相決定が可能性である。波長1.54Åを用いた場合、期待される△F/Fは0.75%であ、VP37の位相決定に有望である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響で実験室立ち入り制限等で実験および出張等がができなかったため、執行計画を達成できなかった。
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Research Products
(8 results)