2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of Agricultural technology and Construction of social comprehensive matching support system to accelerate agriculture and welfare cooperation
Project/Area Number |
20K06285
|
Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
町田 怜子 東京農業大学, 地域環境科学部, 准教授 (90724675)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上岡 洋晴 東京農業大学, 地域環境科学部, 教授 (30408661)
茂籠 幸代 (池田幸代) 東京情報大学, 総合情報学部, 准教授 (40344460)
藤川 智紀 東京農業大学, 地域環境科学部, 教授 (60361573)
下嶋 聖 東京農業大学, 地域環境科学部, 准教授 (60439883)
竹内 康 東京農業大学, 地域環境科学部, 教授 (90271329)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 農福連携 / 農作物 / 生産基盤条件 / 農作業の運動器疾患 / 障害者 / 農福連携マッチング / 家族経営 / 排水改良 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、農業活動における障害者や高齢者等のインシデントにつながる事故や身体的負担の解明、ならびに、障害者をはじめだれもが安心・安全に農業に従事できる農業技術を開発し、農福マッチングによる包括的社会支援ツールの構築である。今年度は、農業活動の身体的負担と、農福連携の受入のマッチングを解消するために、3つの研究課題に取り組んだ。 一つ目の研究課題は、「日本の農業従事者における慢性的な運動器疾患に関する情報」として、日本の農業従事者における運動器疾患の発生状況に関する報告に関して、厚生労働省と農林水産省の各種統計や全国共済農業協同組合連合会における統計、同様に医中誌や日本農村医学会の雑誌を調査した。結果 農作業中の死亡に至る事故や労働災害となる疾病はあったが、慢性の運動器疾患の有病率などの実態を示す統計資料はなかった。 二つ目の研究課題は、農福連携のマッチング不足を解消するために、農業法人、家族経営、NPO法人の経営体別に農作物と農作業工程の実態調査を行った。その結果、生産する野菜を作業負担の少ない葉物野菜に限定することで、障害を持つ労働者が働きやすい環境を整えている事例や、家族経営やNPO法人では、手作業を伴う収穫、梱包作業に農福連携のニーズがあることが示唆された。 三つ目の研究課題は、農福連携の生産基盤条件の調査を実施した。その結果、実際に障害者の農作業を補助、管理している団体、農家に聞き取りをしたところ、障害者にとって間引きなどの判断を伴う作業については難しいこと、作業と収益性からはエダマメ、サトイモ、トウガラシなどが期待されるとの情報を得た。これらの作物については土壌の排水性が求められることから、農福連携を効果的に実施する農地における排水改良の必要性も示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍の影響はあったが、zoom等や感染対策を徹底した現地調査により、概ね予定通り調査を実施することができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度は農福連携の中で、事例が少ない身体障害者の実態を明らかにする。特に、農作業を行う上で必要とされる障害特性に応じた環境整備の条件を調査し、林業など農業分野以外の作業技術と対比させて農福連携の作業環境整備の課題を明らかにする。その上で、農園の環境整備の技術論として、だれもが参加しやすい簡易な方法で施行できる農道の舗装整備や、農福連携を効果的に実施する農地における排水改良の技術手法の開発に取り組む。
|
Causes of Carryover |
コロナ禍の影響により研究計画が変更されたため。
|
Research Products
(1 results)