2021 Fiscal Year Research-status Report
都府県酪農における新規参入の成功要因と推進課題の検討
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20K06287
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Research Institution | Nippon Veterinary and Life Science University |
Principal Investigator |
長田 雅宏 日本獣医生命科学大学, 応用生命科学部, 教授 (40610712)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小澤 壯行 日本獣医生命科学大学, 応用生命科学部, 教授 (30247085)
古田 洋樹 日本獣医生命科学大学, 応用生命科学部, 教授 (30366794)
柴田 昌宏 日本獣医生命科学大学, 応用生命科学部, 教授 (60370631)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 酪農新規参入 / 担い手育成 / 都府県酪農 |
Outline of Annual Research Achievements |
1・2年目の研究目的では、アンケート実施により当該地域の意向を明らかにし、専門委員会による新規参入の促進を掲げていた。しかし、コロナ感染症拡大により酪農家へのヒアリングが遅れたが、福岡県に加え、北海道、千葉県において、当初計画の酪農新規参入方法である研修牧場や酪農ヘルパーから農場を所有する3パターン、および雇用型大規模酪農経営体における新たな参入方法について調査することができた。また、専門委員会の立ち上げも遅れているが、(一社)中央酪農会議の協力により、専門委員による酪農新規参入のためのWebサイト作成、および協業経営調査に携わり、研修牧場制度の新たな取り組みとして発展可能性が確認され、研修牧場の創設にも期待が高まっている。協業経営における参入事例等を調査では、詳細な概要、協業経営に至るまでの詳細な経過から新規就農の得策を提示した。この調査結果は(一社)中央酪農会議およびALICの報告書として冊子を作成する予定である。 具体的な実績として、福岡県では酪農専門農協による新規参入経営5戸を調査し、就農後の技術的支援に加え資金支援が重要であること、タスクフォースとして様々な機関からなる協議会を設置することが課題に上げられた。また、北海道、千葉県の協業経営において、2021年度に創出された複数戸の酪農家、または異業種の複数戸による大規模経営体の調査から減少し続ける酪農経営の補完的対策として協業経営が有効であることが明らかになった。 以上の調査を報告書として取りまとめ(一社)中央酪農会議に提出した。また、関連研究を進め、学内の発表会にて報告を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年に続き2021年は蔓延等防止措置の発動により、調査のため地方へ出向くことが困難な時期があり調査は遅れている。2021年度夏季以降はPCR検査を行い福岡県、千葉県、北海道に限り調査を受け入れていただいた。岡山県他の調査が未達成であり、加えて研修会もコロナ感染症まん延防止のため未履行となっている。論文発表も未履行のため、2022年度は口頭発表および論文投稿に挑みたい。
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Strategy for Future Research Activity |
新規参入の方策は地域、関連組織、経営の状況により多様である。今後の研究として事例調査の実績を積み、ケーススタディから都府県酪農における新規参入の方策を提示したい。また、酪農教育ファームは小・中学校を対象に酪農理解、興味の醸成など大変重要な課題である。この活動から未来の担い手創出につながることから、新規参入の初期段階として注視している。具体的には富士河口湖町における酪農教育ファームの現状について、付属牧場である富士アニマルファームは、2022年度より酪農教育ファームの認定を取得したことから調査を行い、酪農新規就農と併せて研究を遂行する。また、付属牧場における研修牧場としての可能性を調査し、2021年度に(一社)中央酪農会議が作成した酪農新規就農に関するWebサイトの活用を模索したい。 新たな調査対象として、全国酪農業協同組合連合会(全酪連)と(一社)全国酪農協会が設立した新規就農を志す担い手を育成を目的とした「一般社団法人全酪アカデミー」を調査し、新規就農へのアプローチを可及的速やかに進める方策を提示したい。就農地の確保や事業継承などもサポートする本制度は、地域の貴重な酪農資源が意欲ある次世代に引き継がれるとして期待されている。
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Causes of Carryover |
2021年はCOVID-19の影響により調査は難渋をきたした。しかし、福岡県をはじめ北海道の調査は完了し6割程度の進捗であった。旅費・交通費等の出張経費が未消化であるが、2022年度に実行したい。報告書冊子作成料は(一社)中央酪農会議より助成をいただくため発生しなかった。次年度使用額については、実地調査のための旅費などで使用する予定である。また今後は共同研究者を増員したことから順調に研究推進がなされると確信している。論文投稿、報告書を活用し、学会発表やセミナー開催など積極的に行いたい。
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Research Products
(1 results)