2020 Fiscal Year Research-status Report
Establishment of community reorganization method for well-being in heavy snowfall hilly and mountainous area
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20K06293
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
坂田 寧代 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (60373172)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 集落営農 / 農地災害関連区画整備事業 / 中山間地域等直接支払制度 / 関係人口 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,長岡市山古志地区の団体を対象として,コミュニティ再編を集落営農主導型と地域交流団体主導型に分け,調査を進めた。集落営農主導型として,2004年新潟県中越地震をきっかけに複数集落で設立された集落営農に着目した。6~10月に計9日間実施した,営農組合長を含む関係者への聞取りをもとに,当該の集落営農が耕作している農地を対象として保全に資する要因を検討した結果,(1)中越地震で被災した農地を復旧するために実施された農地災害関連区画整備事業の寄与,(2)集落営農の貢献,(3)中山間地域等直接支払制度の下支えが明らかになった。長期的な農地保全のためには区画整理などの多角的な支援が必要であり,とりわけ,集落営農に対する体制整備支援を強化することが望ましいと思われた。 一方,地域交流団体主導型として,伝統行事「牛の角突き」の運営団体を対象に,関係人口に着目してオーナーなどへ7~12月に計7日間聞取りを行った。その結果は取りまとめ中だが,オーナー数に占める関係人口の割合が高く,5年前と比較して増加しており,伝統行事を継続していく上で関係人口の重要性が明らかになった。オーナー確保のためにもオーナーの金銭的負担を軽減するための工夫が模索されているが,即効性のある策には至っていない。しかしながら本年度はとくにコロナ禍の影響による闘牛大会の中止や大幅な集客減を強いられるという逆境の中,闘牛大会を動画同時配信したり,新潟県を拠点とする世界的な伝統芸能集団との共演に挑戦したりするなど,新しい試みに積極的に取り組むことで事態を打開しようとしている。これらの挑戦が関係人口の確保につながるかどうか,継続的な調査を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍の影響で現地調査に関する制約があったため6月まで現地調査を行えなかった。長岡市山古志地区はこれまでの調査実績があったため,7月以降の調査では調査の実施に困難を感じることなく進めることができた。ただ,高齢者が多い地域において,対面調査に配慮を行った結果,当初の計画内容の実施は一部見送らざるを得なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
先述の通り,伝統行事「牛の角突き」の運営団体を対象として,コロナ禍での打開策が関係人口の確保につながるかについて,継続的な調査を行う。また,地域交流団体主導型の団体として,追加で団体を選定し,コミュニティ再編の事例を増やすこととする。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響で繰り越すことになった研究費について,次年度もコロナ禍の影響は残ると思われるが,子育てに関する団体などいくつかの団体を追加し,研究補助者を得て効果的な調査を進めるなどして,巻き返しを図りたい。
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Research Products
(2 results)