2022 Fiscal Year Annual Research Report
Is strengthening of snowmelt delay function through forest management an adaptation measure against snowfall reduction due to global warming?
Project/Area Number |
20K06301
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Research Institution | Ishikawa Prefectural University |
Principal Investigator |
高瀬 恵次 石川県立大学, 生物資源環境学部, 客員教授 (90133165)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 洋一 石川県立大学, 生物資源環境学部, 准教授 (10414038)
佐藤 嘉展 愛媛大学, 農学研究科, 准教授 (90414036)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 積雪・融雪 / 気候変動 / 適応策 / 森林水文 / 水資源 |
Outline of Annual Research Achievements |
積雪地域の森林流域における積雪・融雪・流出過程を再現する物理水文モデルDHSVM (Wigmosta et al., 1994、2002) を使用し、森林内外における積雪・融雪を比較することによって、現在および将来における森林の貯雪・融雪遅延機能を定量評価した。石川県白山市(標高200-500m)に位置するスギを中心に構成された森林小流域にDHSVMを適用した。 まず、気象庁気象研究所において開発された水平解像度20㎞の全球気候モデルMRIAGCM3.2Sを用いてRCP8.5シナリオに基づいて1950-2099 年が連続的に計算された150年シームレスランデータを、構築した積雪・融雪モデルに入力することによって、将来における森林内外の積雪・融雪の変化をシミュレーションした。積雪・融雪の変化および年最大積雪深、および、オープンに対する林内積雪の比(林内/オープン)、オープンと林内の積雪日数の差(林内-オープン)などについて分析した。その結果、2030年以降の積雪量の減少が顕著である、林内の積雪日数の方がオープンより少なく、この傾向は将来も同じである、オープンの積雪に対する林内の積雪量もあまり変わらないことなどが分かった。 さらに、手取川ダムなどを含む上流域を対象として、150年シームレスランデータを用いて構築した積雪融雪モデルを動かした。その結果、2030年以降の積雪量の減少が顕著である、現在は林内の積雪日数の方が多いが、2030年以降は林内の積雪日数が少なくなる、オープンの積雪に対する林内の積雪量も少なくなることなどが分かった。つまり、現在、上流域の森林は貯雪・融雪遅延機能を発揮していると言えるが、林内の積雪は気温変化の影響を受けやすく、将来的には森林の貯雪・融雪遅延機能は低下することが分かった。
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Research Products
(5 results)