2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of atopic dermatitis models using humanized mice for eosinophil target therapy
Project/Area Number |
20K06477
|
Research Institution | Central Institute for Experimental Animals |
Principal Investigator |
伊藤 亮治 公益財団法人実験動物中央研究所, 実験動物研究部, 室長 (60425436)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | ヒト化マウス / アトピー性皮膚炎 / 好酸球 |
Outline of Annual Research Achievements |
アトピー性皮膚炎は、様々な免疫細胞のクロストークにより病態が引き起こされることがわかっているが、発症メカニズムは未だ不明な点が多く残されており、特に好酸球については皮膚浸潤の亢進を認めるもののその役割はよくわかっていない。我々が最近開発したhIL-3/GM-CSF TgマウスおよびhIL-3/GM-CSF/IL-5 トリプルTgマウスは、ヒト造血幹細胞移入後にT細胞, B細胞, マクロファージやアレルギーのエフェクター細胞である好酸球、好塩基球、マスト細胞など多くのヒト免疫細胞が分化する優れたヒト化マウスである。本研究では、これらヒト化マウスを用いて、ヒト細胞誘導性アトピー性皮膚炎モデルを開発し、好酸球の機能解析と抗体医薬の前臨床モデルを確立することを目指す。2020年度は、ヒト造血幹細胞によりヒト化したhIL-3/GM-CSF Tgマウスへオキサゾロンを背部皮膚へ頻回塗布し、アトピー性皮膚炎様の症状が認められるか検討した。その結果、hIL-3/GM-CSF Tgマウスのオキサゾロン塗布部位において溶媒塗布部位と比べて表皮の肥厚および、ヒトT細胞の著名な浸潤が認められた。しかしながら、通常の野生型BALB/cマウスと比較すると、これらの皮膚症状の程度は小さく、またヒト好酸球浸潤もほとんど見られなかった。そのため、次年度からはヒト好酸球が顕著に分化するhIL-3/GM-CSF/IL-5 トリプルTgマウスを用いて、オキサゾロンやhIL-33塗布による誘導実験を実施する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヒト化マウスを用いたアトピー性皮膚炎のモデル開発をstep by stepで進行しており、2020年度はまずはhIL-3/GM-CSF Tgマウスを用いたオキサゾロン塗布試験を実施し、十分な結果は得られていないものの、今後に向けて一定の成果を得ることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
ヒト好酸球が顕著に誘導されるヒト化hIL-3/GM-CSF/IL-5 トリプルTgマウスを用い、オキサゾロンやhIL-33塗布などにより、ヒト細胞を介した皮膚炎を惹起できるモデルを確立する。
|
Causes of Carryover |
当該年度は、備品として冷却遠心機の購入を当初計画していたが、別の研究費にて購入できたたため、次年度使用額が生じた。残額は、翌年度以降に患者由来PBMCの購入、RNA-sequenceなどの解析に使用する計画である。
|
Research Products
(5 results)