2022 Fiscal Year Annual Research Report
新規直鎖状ユビキチン結合タンパク質ファミリーのNF-κB制御メカニズムの解明
Project/Area Number |
20K06611
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
高橋 宏隆 愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 准教授 (70432804)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 直鎖ユビキチン鎖 / ユビキチン鎖結合タンパク質 / NF-kB |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はR3年度に実施した当研究室で開発した改変型近接ビオチン化酵素AirIDを用いた細胞内での相互作用因子探索で得られたタンパク質の詳細な解析を行った。これまでの結果から、ZFAND5, 6はin vitroアッセイにおいてM1鎖への高い結合能を示し、培養細胞においても顕著なNF-kB抑制能を示した。興味深いことに、これら2つのZFANDはLUBACの高発現によってNF-kB経路を活性化させた培養細胞内において、LUBACやNF-kBシグナルの構成因子との相互作用が認められた。これらの結果は、ZFAND5, 6がLUBAC高発現によって形成されたNF-kBシグナル伝達活性化複合体にリクルートされている可能性を強く示唆している。またZFAND5, 6と強く相互作用するタンパク質の中には、これらZFANDを見出した際に行ったin vitroにおける直鎖ユビキチン鎖結合タンパク質スクリーニングで同定されていた脱ユビキチン化酵素も含まれていた。この脱ユビキチン化酵素はユビキチン鎖切断活性が弱いものの、複数のユビキチン結合ドメインを有し、ユビキチン鎖結合能依存的にNF-kBシグナルを強く抑制することが明らかとなった。これらのことから、LUBACを介して形成された直鎖ユビキチン鎖複合体に、ZFANDやこの脱ユビキチン化酵素等を含むユビキチン結合能を有するタンパク質がリクルートされることで、LUBACを介したNF-kBシグナル活性化を負に抑制していることが明らかとなった。本研究では他にもZFAND5, 6と結合するユビキチン鎖結合タンパク質(UBP)を見出しており、今後はZFANDとUBPの相互作用の詳細についての解明を目指す。
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Research Products
(5 results)