2021 Fiscal Year Research-status Report
幼少期ストレスによる精神・身体変容の性差を生み出す脳内神経基盤の包括的理解
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20K06734
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
宮園 貞治 旭川医科大学, 医学部, 助教 (50618379)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 性差 / ストレス / 幼少 / 母仔分離 / 内分泌 / ホルモン |
Outline of Annual Research Achievements |
幼少期に虐待やネグレクト(育児放棄)などの大きなストレスを継続的に経験すると、将来、うつ病や心的外傷後ストレス症候群(Post Traumatic Stress Disorder;PTSD)などの精神疾患の発症率が高くなるだけでなく、心臓病や肺がんといった身体の異常の発症率も上昇すると言われている。このような将来的に精神だけでなく身体までにも引き起こされる異常は、成長過程における脳内環境の不可逆的な変容が長期にわたって継続したためと考えられるが、その機序の詳細は明らかではない。本研究では、幼少期に母仔分離ストレスを継続的に経験したマウスを用いて、幼少期ストレスによって精神と身体の両方に異常を引き起こす脳内環境の変容機序の解明を目的とし、その性差についても検討することとした。 令和3年度は次のような成果を得た。嗅覚による先天的恐怖反応試験時における、内分泌性のストレス耐性の指標である血中コルチコステロンおよびACTH(副腎皮質刺激ホルモン)の濃度を調べた。その結果、幼少期ストレスによって、オスでは先天的恐怖の有無に関わらず両濃度が高レベルで維持されていた。一方、メスでは幼少期ストレスによる変化は見られなかった。以上のことから、オスではメスに比べて、幼少期ストレスが内分泌性の脳内環境の変容をもたらし、継続的なホルモンバランスの異常が身体全体にも作用し続けることで、身体に悪影響が生じることが示唆された。今後、このオスとメスで異なる脳内環境の変容機序の解明に取り組んでいく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の拡大や他の学内業務等による多忙により研究実施計画に記載したスケジュール通り研究が進行しなかったので。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度と今年度の研究計画を見直し、今年度中に可能な研究計画に取り組んでいく。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、【現在までの進捗状況】の項に記述した通り、昨年度の研究計画が予定通り進行しなかったため。研究計画の遂行にあたり、実験動物や免疫組織化学染色実験等に必要な試薬や消耗品等を購入する。
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