2020 Fiscal Year Research-status Report
ヤモリにおける性染色体の獲得が駆動する種多様化仮説の検証
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20K06789
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Research Institution | Hiroshima Shudo University |
Principal Investigator |
城野 哲平 広島修道大学, 人間環境学部, 助教 (70711951)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸田 守 琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 准教授 (40378534)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 繁殖形質置換 / 生殖隔離 / 染色体 / 連鎖 / 鳴き声 |
Outline of Annual Research Achievements |
性染色体の進化過程を復元するため、与那国島産のミナミヤモリメスに実験室内で産卵させ、卵を複数の恒温条件で孵卵した。まだ孵化に至っていないものの、孵化後に孵化幼体の生殖腺を観察し、性決定様式が温度性決定(TSD)であるか遺伝性決定(GSD)であるかを決定する予定である。 また、遺伝性決定の進化により性染色体を獲得した種で、顕著な繁殖形質の強化が生じているかどうか検討するため、鹿児島で同所分布するミナミヤモリ九州系統とニシヤモリ、および近隣の各種の異所的に分布している個体群を採集し、実験室下で鳴き声を録音して、異所的個体群と同所的個体群のオスの鳴き声とその構造を比較した。現在まだ実験は進行中であるものの、予測通りミナミヤモリ九州系統で鳴き声により顕著な強化が生じている可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
大学を移り研究室の立ち上げに時間を要したこと、ならびにコロナ禍の影響でほとんど野外調査が実施できなかったことから、大幅に進捗が遅延している。
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Strategy for Future Research Activity |
国内で渡航可能な地域での野外調査および採集したヤモリ個体による室内実験など、コロナ禍ででも実施可能なことをできるだけ推し進める。台湾とは今後の共同研究を円滑に進めるため国際共同研究協定を締結するほか、現地の共同研究者と連絡を取り合い、実施可能な調査について検討する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍で2021年3月まで野外調査ができず、ヤモリ生体が採集できなかったため、実験開始が大幅に遅延した。3月に採集した鹿児島産ヤモリ類を用いた実験を2021年度に実施するほか、状況が改善され次第、台湾を含めた他の調査地での野外調査および採集、そしてそれに伴う室内実験を実施する。コロナ禍に改善の見込みが立たない場合は、代替の調査地も検討する。
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Research Products
(5 results)