2022 Fiscal Year Research-status Report
ヤモリにおける性染色体の獲得が駆動する種多様化仮説の検証
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20K06789
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Research Institution | Hiroshima Shudo University |
Principal Investigator |
城野 哲平 広島修道大学, 人間環境学部, 准教授 (70711951)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸田 守 琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 准教授 (40378534)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 繁殖形質置換 / 生殖隔離 / 染色体 / 連鎖 / 鳴き声 / ヤモリ / 爬虫類 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度より引き続き、性染色体の進化過程の復元を目指し、実験室で産卵させた卵を複数の恒温条件にて孵卵する実験を実施した。現在までに、ニシヤモリ計38卵、ミナミヤモリ与那国島系統計62卵、北トカラ系統計61卵、九州系統計34卵、八重山系統計28卵が得られている。今後、卵数をもう少し増やし、孵化幼体の生殖腺観察によって各系統/種の性決定様式を推定する予定である。 また、遺伝性決定の進化によって性染色体を獲得した系統/種で、繁殖形質の強化が進行しているという仮説を検証するため、他種と同所的な個体群と異所的な個体群とで鳴き声とその構造を比較した。現在までに北トカラ系統の同所個体群のオス計15個体、異所的な2個体群のオス計26個体、ニシヤモリの同所個体群のオス計12個体、異所的な2個体群のオス計20個体から鳴き声が録音できており、性染色体を獲得した北トカラ系統では他種と同所的な個体群のみで同所分布する他種と異なる方向に鳴き声が変化していた一方で、性染色体をもたないニシヤモリでは3個体群すべてで鳴き声に違いがみられなかった。今後、メスの鳴き声に対する選好性も評価することによって、北トカラ系統のみで繁殖形質置換が生じていることを確証する予定である。また、台湾との共同研究を再開し、台湾島北部で分布を接している2種も対象に加える予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
前年度に引き続きコロナ禍の影響により、海外へ渡航し調査を実施することができない状況にあったため、大幅に進捗が遅延している。
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Strategy for Future Research Activity |
国内で渡航可能な地域での野外調査および採集したヤモリ個体による室内実験などを引き続き継続するとともに、コロナ禍がひと段落したため、台湾との共同研究を再開させる。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響で研究実施計画が大幅にずれ込み、今年度実施予定だった計画内容の一部を次年度に持ち越したため。
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Research Products
(6 results)