2020 Fiscal Year Research-status Report
新規脂肪酸代謝物レゾルビンTシリーズの構造決定と安定等価体の創製
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20K06941
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
福田 隼 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(薬学系), 准教授 (30434450)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | レゾルビン / レゾルビンT4 / 構造決定 / 全合成 / 安定等価体 / 細菌感染症 |
Outline of Annual Research Achievements |
まず、市販のピメリン酸を無水酢酸中で閉環させた後に加溶媒分解、酸塩化物への変換、トリイソプロピルシリルアセチレンの付加によりイノンとした。これに対して野依不斉水素化反応に付したところ、高エナンチオ選択的にプロパルギルアルコールが得られた。テトラブチルアンモニウムフルオリドによるトリイソプロピルシリル基の脱保護、続くLindlar還元により、アリルアルコールに導いた。アリルアルコールにアクロレインジエチルアセタールとの交差メタセシス後、続く水酸基のt-ブチルジメチルシリル基による保護、アセタールの脱保護により、目的とするα,β-不飽和アルデヒドを調製することに成功した。 次に、青葉アルコールをAppel反応により臭素化した後、トリフェニルホスフィンを加え、ホスホニウム塩を得た。続いて、市販のd-リンゴ酸を還元後、アセタール保護によりアルコールとした。これをSwern酸化によりアルデヒドに変換し、Hornor-Wadsworth-Emmons反応によりα,β-不飽和エステルとして、脱保護、t-ブチルジメチルシリル基による水酸基の保護を行った。その後、還元、酸化によりα,β-不飽和アルデヒドとした。ホスホニウム塩をn-BuLiで処理し、DMPU存在下でα,β-不飽和アルデヒドとWittig反応を行ったところ、高収率、Z選択的にスキップジエンを得た。得られたトリエンのt-ブチルジメチルシリル基を選択的に脱保護し、四臭化炭素を用いたAppel反応により、ブロモ体に変換した後、トリフェニルホスフィンを作用させることで、目的とするホスホニウム塩を調製することに成功した。 ホスホニウム塩をn-BuLiで処理した後、DMPU存在下で、α,β-不飽和アルデヒドとWittig反応を行ったところ、Z選択的にレゾルビンT4保護体が得られ、脱保護することで(7S)-レゾルビンT4の合成を達成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
レゾルビンT4の合成は順調であることから、おおむね計画通りに進んでいると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
ジアステレオマーである(7R)-レゾルビンT4を合成し、レゾルビンT1の合成に着手する予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナの影響で研究計画の変更により、次年度使用額が生じた。 物品費に充てる予定である。
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