2022 Fiscal Year Annual Research Report
Regulation of novel inflammatory helper T cells differentiation at low concentration of retinoic acid
Project/Area Number |
20K07026
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
大岡 嘉治 徳島文理大学, 薬学部, 教授 (60303971)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | NRIP / Th9 / レチノイン酸 / IL-9 / Smad3 / リガンド依存性コリプレッサー |
Outline of Annual Research Achievements |
新規に同定された炎症性ヘルパーT細胞サブセットであるTh9細胞の分化はレチノイン酸シグナルにより負に制御されていることが示唆されており、本研究では、その分化制御機構にリガンド依存的コリプレッサーの関与を想定した。その結果、Th9細胞には、リガンド依存的コリプレッサー:NRIPが特異的に発現していることを見出した。NRIPが、実際にIL-9遺伝子の発現抑制に関与しているか明らかにするため、NRIP siRNAをTh9細胞に導入し、NRIP遺伝子の発現をノックダウンすると、レチノイン酸により発現が抑制されていたIL-9遺伝子の発現およびIL-9の産生は顕著に回復した。一方、レチノイン酸はIL-9遺伝子の発現を顕著に抑制するが、Th9細胞の分化に関与するInterferon Regulatory Factor 4(IRF4)やGATA3などの転写因子の遺伝子発現はむしろ増強したことから、レチノイン酸シグナルはNRIPを介してIL-9遺伝子の発現を特異的に抑制することが明らかになった。 次に、NRIP遺伝子のTh9細胞における制御機構について検討した。その結果、NRIP遺伝子の発現はin vitroにおけるTh9細胞分化誘導条件においてT細胞受容体刺激とレチノイン酸を必要とする事が明らかになった。また、NRIP遺伝子の転写制御機構を明らかにするため、NRIP遺伝子の第一エクソン上流部の転写調節領域をクローニング、レポーターベクターを作製し、マウスT細胞リンパ腫株EL-4細胞に、レチノイン酸受容体やTh9細胞分化に関与する種々の転写因子と共に共発現させ、レポーターアッセイを行った。その結果、実験に用いた領域上ではレチノイン酸応答性は確認できなかったが、TGF-βシグナルの下流で機能している転写因子Smad3のNRIP遺伝子の転写活性に関与している事が示唆された。
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