2021 Fiscal Year Research-status Report
イメージング技術を基盤とした局所リゾリン脂質の新規機能の解明
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20K07047
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| Research Institution | The University of Tokyo |
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Principal Investigator |
可野 邦行 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 助教 (50636404)
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| Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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| Keywords | 質量分析イメージング / リゾリン脂質 / リン脂質代謝 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本年度も引き続きリン脂質を対象とした質量分析（MS）イメージング法の開発と、それを用いた各種疾患モデルにおける局所リゾリン脂質の解析およびその機能解明に取り組んだ。
まずMSイメージング法の開発では、前年度までに取り組んできたリン脂質「そのもの」を高感度に検出する系の改良を行うとともに、リン脂質の「代謝フロー」を可視化する手法の開発に取り組んだ。本手法では、切片上に基質（リン脂質の前駆体など）をエアスプレーで均一に噴霧し、切片上のリン脂質代謝酵素によって反応させ、その反応産物をMSイメージング法で検出する。検討の結果、リゾリン脂質に脂肪酸を導入する活性をはじめとした複数のリン脂質の代謝反応を可視化することに成功した。また、従来のMSイメージング法の課題の一つであったリン脂質の構造異性体の区別に対し、新たにサイクリック型イオンモビリティMSを用いた手法の開発に取り組んでいる。
次に前年度にMSイメージング法を用いて見出した精細管内腔に局在するパルミチン酸型LPAの機能解析を行い、このLPAがLPA2シグナル依存的に精細胞のアポトーシスを抑制することを見出した。この機能は特に虚血精巣において重要であり、虚血時にパルミチン酸型LPA及びLPCが精細管内腔で増加していることをMSイメージングとLC-MSを組み合わせて明らかにした。また前年度に共同研究で見出した糖尿病性腎症におけるLPCの局在について、論文としてまとめて報告した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度に計画していたMSイメージング法の構築と、精巣におけるパルミチン酸型LPAの機能解明については問題なく達成できたため。当初はリゾリン脂質を中心としたMSイメージング法に注目していたが、リン脂質代謝フローの可視化に成功したことから単に脂質そのものの局在だけでなく、その脂質が代謝される過程も明らかにすることが可能となったため。
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| Strategy for Future Research Activity |
今回新たに構築したリン脂質の代謝フローの活性化については、それぞれのリン脂質代謝酵素の欠損マウス由来のサンプルを用いてイメージング結果のバリデーションを行い、その結果をもって論文化を行う。またこれまでに取得、今後取得するリゾリン脂質を中心とした各種組織のリン脂質マッピングをデータベース化することも想定し、研究を進める。
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Research Products
(9 results)
