2020 Fiscal Year Research-status Report
筋萎縮性側索硬化症ALS死後脳における多量体形成分子群の神経変性病態構造の解明
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20K07222
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小川 覚之 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (40436572)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齊藤 祐子 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究部長 (60344066)
川島 祐介 公益財団法人かずさDNA研究所, ゲノム事業推進部, 研究員 (30588124)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 筋萎縮性側索硬化症(ALS) / 死後脳 / 疾患プロテオミクス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では生体試料の高分離分画技術、オミクス解析、神経細胞内輸送・細胞骨格・酸化ストレスにおける疾患分子病態解析技術を結集し、ALS患者死後脳から疾患分子病態を解明することを目的としている。本年度は、微量のマウス脳から5000以上のタンパク質複合体のサイズ変化を網羅定量・同定する独自の定量プロテオミクス解析手法を確立した。また、解析対象である神経変性疾患ALS、および比較健常群の死後脳検体入手に向け、日本ブレインバンク(JBBN)における学術審査(2020年4月)を受け承認された。続いて東京大学医学部倫理委員会における研究倫理審査に申請(2020年6月)を行い、非介入等研究倫理委員会にて人を対象とする医学系研究に関する倫理指針に基づく個別審査を経て、研究実施の承認を得た(2020年9月、審査番号2020148NI「神経変性疾患における網羅定量プロテオミクス解析」)。本倫理審査は他施設間共同研究として行い、各連携施設においても倫理申請・所定の手続きを行い承認された。東京都健康長寿医療センターにおいては新型コロナウィルス感染症への対応により審査が大幅に遅れたが2021年1月末に倫理申請が承認され、2月よりヒト検体の提供体制が整った。さらにヒト疾患脳検体におけるタンパク質解析体制を強化するため、2021年4月にヒト倫理研究の追加申請(迅速審査)の準備を行ない連携研究体制を強化してヒト疾患脳におけるタンパク質病態の解明を目指す。また、新型コロナウィルス感染症の影響によりヒト死後脳の倫理審査・提供が遅れた間、代替策として疾患モデルマウス脳を用いた解析、およびヒト検体と同条件のブタ脳・脊髄試料の作成を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症への対応等により東京の中核病院でもある東京都健康長寿医療センターにおける倫理審査が遅れ、検体の供給が進まなかった。一方で、この間にマウス脳・ブタ脳を用いたプロテオミクス解析系・試料調整の高度化を行い、定量構造プロテオミクス解析基盤を整えた。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルス感染症によりヒト検体の供給が進まなかったが、倫理審査を通過したことにより今後の研究は迅速に進む事が期待できる。また、マウス脳・ブタ脳を用いたプロテオミクス解析系・試料調整の高度化を行って定量構造プロテオミクス解析基盤を整えたこと、連携研究体制を強化したことにより、これまでより盤石な体制で本研究を推進する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの影響により、出張業務を行う事が出来なかったことによる。次年度は出張業務を行わない場合にはWeb会議等による通信費や遠隔リモート実験等の費用に充当し、有効に活用する。
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Research Products
(5 results)