2020 Fiscal Year Research-status Report
Role of the immunoproteasome in nonalcoholic steatohepatitis
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20K07365
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Research Institution | Kyushu University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
木村 博昭 九州保健福祉大学, 薬学部, 教授 (70593622)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 免疫プロテアソーム / NASH / 炎症 / 脂肪蓄積 |
Outline of Annual Research Achievements |
非アルコール性脂肪性肝炎(Non-alcoholic steatohepatitis: NASH)は、アルコール摂取に依存しない脂肪肝から炎症・線維化を伴う病態で、有効な治療方法が確立されていない。本研究は、免疫プロテアソームが脂肪の蓄積や炎症に関わることから、それらが特徴であるNASH病態にも免疫プロテアソームが関与するのではないかという仮説のもと、計画されたものである。令和2年度は、コロナ渦の中、教育方面へのエフォートが顕著に増加し、また、マウスの繁殖にも困難な状況が生じたため、細胞レベルでの実験を中心に研究計画を進めた。マウスの肝ヘパトーマ細胞株Hepa1-6を培養し、オレイン酸とパルミチン酸の取り込みを免疫プロテアソームの阻害剤が抑制するかどうかを検討したところ、オレイン酸の取り込みに差が出なかった。また、パルミチン酸ではアポトーシスを生じることを確認した。念のために脂質取り込みや油滴維持に関連するCd36やCidec (Fsp27)やPlin4 (ペリリピン)の遺伝子発現におけるオレイン酸取り込みや免疫プロテアソーム阻害剤処理による効果を検討した。オレイン酸の刺激で脂質取り込みに関するCd36の発現は顕著に誘導されたが、阻害剤によりその発現は抑制された。一方、CidecとPlin4の発現も、阻害剤で変動し、さらにデータを収集して、脂肪の取り込みとの関連性を調べているところである。また、NASHでは炎症性のマクロファージも存在するため、マクロファージ株のRAW264.7細胞を利用して、同様の実験を行っているところである。その他に、令和2年度は、総説1報、学術論文4報が発表もしくは、受理された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和2年度は、コロナ渦の中、教育方面へのエフォートが顕著に増加し、また、マウスの繁殖にも困難な状況が生じたため、細胞レベルでの実験を中心に研究計画を進めたため、研究の順序を変更したことになる。そのため、実感的にはやや遅れていると感じている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、早急にマウスにNASH誘導食餌を投与し、NASH病態発現における免疫プロテアソーム欠損の効果を検討する予定である。野生型マウスと欠損マウスの病理組織や、遺伝子・タンパク質発現を解析する。また、昨年度末に新しいフローサイトメトリーが本学に導入されたため、NASH病態部位への浸潤細胞の解析は、より詳細に解析できる環境が整っている。
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Causes of Carryover |
令和2年度は、コロナ渦の中、教育方面へのエフォートが顕著に増加し、研究計画が若干遅れているため。差額で、研究に必要な抗体等の試薬を購入する予定である。
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Research Products
(5 results)