2021 Fiscal Year Research-status Report
血管の炎症と動脈硬化:インフラマソーム活性化の動脈硬化への寄与の病理学的解明
Project/Area Number |
20K07376
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
倉田 美恵 愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 講師 (80423440)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 自己炎症 / 動脈硬化 / インフラマソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の核心をなす学術的「問い」はNLRP3インフラマソームの過剰な活性化がいかに心血管病の病態形成をするのか、である。そのため本研究の目的は、NLRP3インフラマソームが恒常的に活性化するCAPSモデルマウスにおいて循環器系にどのように病像が形成されていくのかを検証し、その現象を人体病理で明らかにすることである。2021年度以降の研究計画として、CAPSモデルマウスにおいてNLRP3インフラマソームシグナルの抑制で病態が改善することを示すこと、ヒト動脈硬化巣、不全心筋におけるNLRP3を証明することを掲げていた。 当教室で保有しているCAPSモデルマウスを用いて胎児期から12カ月齢に及ぶまで長期間、多段階的に血液、血行動態的、組織学的サンプルを得た。末梢血、骨髄、脾細胞を培養しIL1βなどのサイトカインの発現パターンを解析し、それぞれに有意な差を認めた。また、組織学的に全身臓器を解析し、特徴的な病理組織像を得た。コントロール検体・ASC未発現マウスとの交配マウスも含め心エコーを行い、当該マウスにおいて特徴的な血行動態を示すことを確認した。以上から、当初の目標であったNLRP3インフラマソームが恒常的に活性化するCAPSモデルマウスにおいて循環器系にどのように病像が形成されていくのかを明らかにすることができた。さらに、ヒト剖検検体において粥状動脈硬化巣と心不全を来した心筋においてNLRP3、ASCが過剰発現していることを確認した。 さらに、NLRP3インフラマソーム活性阻害因子の効果をCAPSモデルマウスに投与し組織学的変化を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
モデルマウスのサンプル採取とデータ解析が順調に進行しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きモデルマウスの解析を行うとともに、ヒト検体での免疫染色も並行して進めていきたい。
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Causes of Carryover |
動物飼育費、試薬購入に加え、論文投稿費として使用する予定である。
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