2020 Fiscal Year Research-status Report
ナノスーツ法による病理標本の非破壊的な光ー電子相関顕微鏡法の開発とその応用
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20K07390
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
河崎 秀陽 浜松医科大学, 光尖端医学教育研究センター, 准教授 (90397381)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ナノスーツ / 光-電子相関顕微鏡 (CLEM) 法 / パラフィン切片 / 卓上低真空SEM |
Outline of Annual Research Achievements |
光学顕微鏡を用いたパラフィン組織切片の形態診断には、100年以上にわたって蓄積された膨大な知識が含まれている。病理診断において、光学顕微鏡で同定した組織切片の病変部位を高倍率で観察する必要にしばしば遭遇する。申請者は生体適合性高分子溶液(ナノスーツ液)と走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、非破壊的かつ簡便に同一切片・同一部位の高解像度立体的組織像を観察することに成功した。またSEM観察後に元の標本に戻すことにも成功した。 この方法により世界中に現存する膨大な病理標本を失うことなく、SEM観察できる道が開かれた。今後は本法が広く世界で利用され、診断や研究に応用されると期待される。本申請では光学顕微鏡を中心として築き上げられた組織形態情報と、ナノスーツ/光-電子相関顕微鏡 (CLEM) 法で得られる立体的組織微細構造・タンパク発現分布・元素分布情報を融合させた新たな診断法の確立を目指す。 病理診断時に沈着物を観察することがある。その判定をするとき、HE所見と臨床情報を考慮して、特殊染色を依頼することが多いが、想定した元素しか知ることができない。ナノスーツ法による元素分析により、複数の元素の分布を一回の測定で判断することができる。当該年度は消化管に沈着したランタンをナノスーツ法を用いた元素分析で解析し、dataをまとめて論文として発表した。また現在カリメートの消化管沈着に関しての論文をまとめ、投稿準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究ではナノスーツCLEM法を利用することにより、光学顕微鏡では観察できない微細構造を観察し、タンパク発現・元素分布などの情報を融合させた新たな診断法を目指している。当該年度は消化管に沈着したランタンをナノスーツ法を用いた元素分析で解析し、dataをまとめて論文として発表した。また現在カリメートの消化管沈着に関しての論文をまとめ、投稿準備中である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方法としては、ナノスーツCLEM法を用いた免疫染色による病原体同定を試み、多様な病原体(特にウイルス)に対して研究を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
今年度は別予算での必要経費がまかなえたため、使用金額を抑えることができた。来年度は必要な抗体を購入していくなど、当初の計画に沿った予算消化をしていく予定。
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Research Products
(17 results)