2022 Fiscal Year Annual Research Report
胆管癌の抗癌剤治療抵抗性に関わる候補分子Clusterinの機能解析と治療応用
Project/Area Number |
20K07394
|
Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
村上 和成 大分大学, 医学部, 教授 (00239485)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
守山 正胤 大分大学, 医学部, 客員研究員 (90239707)
泥谷 直樹 大分大学, 医学部, 准教授 (80305036)
兒玉 雅明 大分大学, 福祉健康科学部, 教授 (20332893)
沖本 忠義 大分大学, 医学部, 准教授 (90381037) [Withdrawn]
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | clusterin / 抗がん剤抵抗性 / オルガノイド / 胆汁 |
Outline of Annual Research Achievements |
難治性消化器癌である胆管癌の治療成績を改善するためには、治療抵抗性に関わる分子メカニズムを明らかにすることが必要である。私たちはこれまでに膵癌の治療抵抗性に関わる分子としてClusterin (CLU)を同定した。本研究は、膵癌同様に難治癌である胆管癌におけるCLUの発現動態を調べて、その機能的意義を解明し、動物移植モデルを用いて標的治療法の可能性を検討するものである。これまで胆管癌細胞株を研究対象としてきたが、入手可能な細胞株が限定的であるため、一昨年度から生体試料由来の組織培養系の樹立を開始した。 本研究期間中に68症例の胆管癌患者から胆汁を採取して、胆汁由来胆管癌オルガノイドの樹立を試みた。うち60症例でオルガノイド樹立に成功した。8例の不成功例はいずれも胆管にステントが留置された症例であり、胆管炎合併に伴う細菌のコンタミネーションが原因であった。成功例のうち40例については樹立したオルガノイドを免疫不全マウスに移植して腫瘍形成能と浸潤・転移能、癌悪液質の有無等について調べたところ、16例の胆汁由来オルガノイドにおいて移植したマウスで腫瘤形成を認めた。うち5例では病理学的解析により明らかな胆管癌であることが確認できた。 また、移植前後のオルガノイドからゲノムDNAを抽出して、いくつかのがん関連遺伝子についてターゲットシークエンスを施行した。Kras遺伝子やTP53遺伝子の検索から、移植後のオルガノイドではそれらの遺伝子の機能的変異を有する癌細胞の割合が顕著に増えていることを確認した。この結果は、胆汁由来オルガノイドには癌および正常胆管上皮由来のオルガノイドが混在することを示している。われわれは癌オルガノイドを濃縮する方法として、免疫不全マウスへの移植や、長期の継代培養、あるいはp53変異を有する症例についてはMDM2阻害剤の添加が有用であることを示した。
|
-
-
-
[Journal Article] Kyoto international consensus report on anatomy, pathophysiology and clinical significance of the gastro-oesophageal junction2022
Author(s)
Sugano K, Stuart J Spechler, Emad M El-Omar, Kenneth E L McColl,Takubo K, Gotoda T, Fujishiro M, Iijima K, Inoue H, Kawai T, Kinoshita Y, Miwa H, Mukaisho K, Murakami K, Seto Y, Tajiri H, Bhatia S,Myung-Gyu Choi, Rebecca C Fitzgerald,Kwong Ming Fock, Khean-Lee Goh, Peter Malfertheiner etc.
-
Journal Title
Gut
Volume: 71(8)
Pages: 1488-1514
DOI
Peer Reviewed / Open Access
-
-
-
-
-
-