2021 Fiscal Year Research-status Report
組織型に基づいた胃分化型粘膜内腫瘍のマルチオミックス解析
Project/Area Number |
20K07412
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
菅井 有 岩手医科大学, 医学部, 教授 (20187628)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 胃癌 / 粘膜内癌 / 粘膜下層浸潤癌 / ゲノムワイド解析 / オミックス解析 / パネル変異解析 / マイクロサテライト解析 / 免疫染色 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は分化型粘膜内腫瘍の組織型を腸型、胃型、分類困難型(特殊型)に分類し、組織型に基づいたオミックス解析による分子プロファイルを明らかにした (Sugai T, et al. Gastric Cancer. 2018;21:765-7). 腸型は低グレード上皮内型、高グレード上皮内型、粘膜内浸潤癌(粘膜内癌)に分類できるが、前二者は互いに独立した組織型であることを示した (Sugai T, et al. Gastric Cancer. 2017;20:286-29; Sugimoto R, Sugai T, et al. Int J Cancer. 2016;138:1689-97). 更に粘膜内癌は高グレード上皮内型より進展することを示した. 胃型は腺窩上皮型、幽門腺型、胃底腺型に分類できるが、特に腺窩上皮型の分子プロファイルを明らかにした (Sugai T, et al. Virchows Arch. 2020;477:835-844). 特殊型では手繋ぎ型が代表的であるが、独立した分子病型であることを示した (Fujita Y, Sugai T, et al. Diagn Pathol. 2020;15:111). 粘膜内癌の分子プロファイルはこれまでコンセンサスのある見解はなく、新しい粘膜内胃癌の分子腫瘍発生仮説の確立を目指す.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
解析サンプルは十分に蓄積されており、採取部位とその近傍の組織診断も確定されている[腸型44例、胃型16例(腺窩上皮型16例、幽門腺型4例、胃底腺型2例)、特殊型9例(レース/網状型5例、手繋ぎ型5例、胎児腸管型1例)、粘膜下層浸潤癌25例]. 免疫染色(粘液形質+cdx2)とMS解析は既に完了しており、採取された新鮮材料のオミックス解析もおおむね終了している. オミックス解析はコピー数、DNAメチル化、micro RNA、messenger RNAの発現異常を同一サンプルで解析を行うマルチオミックス解析である. さらに変異パネルを作製して遺伝子変異解析も行う (作製済み). 本研究の準備は順調にされており、解析結果の完成に関しての不安要素はないと考えている(大腸腫瘍で同様の解析を終了している).
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Strategy for Future Research Activity |
胃粘膜内癌のサンプルを集積してマルチオミックス解析を行う。新鮮組織サンプルからDNA, RNAを抽出し、マイクロサテライト解析 (MS解析)とマルチオミックス解析を行う. DNA抽出サンプルからはMS解析、コピー数変化 (CytoScan 750K Array)、DNAメチル化 (HumanMethylation BeadChip)、NGS (next generation sequence; Illumina, MiSec)を用いた変異解析を行い、RNA抽出サンプルからはmicro RNA (GeneChp miRNA 4.0)及びmessenger RNA (Clariom S Human Array)発現解析を行う. 遺伝子パネルは28遺伝子のパネルを作製した。これらの多くは既に大腸腫瘍を用いて本研究室で独自に行っており、その解析手法に不安はない.
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Research Products
(54 results)