2020 Fiscal Year Research-status Report
Host defense peptide LL-37 modulates the pathogenesis of sepsis by inducing the release of exosomes
Project/Area Number |
20K07486
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
長岡 功 順天堂大学, 保健医療学部, 特任教授 (60164399)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
射場 敏明 順天堂大学, 医学部, 教授 (40193635)
熊谷 由美 順天堂大学, 医学部, 助教 (90277591)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | エクソソーム / 細胞外小胞 / 敗血症 / 生体防御ペプチド / 抗菌ペプチド / LL-37 / マイクロRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
敗血症は細菌感染を主因としておこるが、いまだ有効な治療法が確立されておらず先進国でも致死率が高い疾患である。一方、最近になって細胞間コミュニケーションを媒介する細胞外小胞エクソーム(約100 nmの大きさ)が、敗血症の病態において保護的に働くことが報告された。申請者はこれまでに生体防御ペプチドLL-37を敗血症モデルに投与すると、菌血症とサイトカイン生成が抑制され致死率が改善することを明らかにしている。さらに申請者は、LL-37が敗血症モデルにおいてエクソソーム放出を増強することを見出した。そこで本研究では「LL-37によるエクソソームの放出誘導」に着目して、敗血症の病態解明と、それに基づく新たな治療法の開発を目指す。 そのため、今年度は、敗血症モデルにおいてLL-37によって放出されたエクソソームの機能解析をin vitroで行った。すなわち、マウスの盲腸を結紮・穿孔して敗血症を誘発した。そして、この敗血症モデルにLL-37を投与することによってエクソソーム放出を誘導し、放出されたエクソソームを精製し、得られたエクソソームの抗菌作用を解析した。なお、敗血症モデルにLL-37を投与すると好中球からエクトソーム(200 nm以上の大きさ)と呼ばれる細胞外小胞も放出されるので、エクソソームとエクトソームの抗菌作用について比較した。 その結果、エクトソームは、好中球由来の抗菌タンパク質・ペプチドを含んでおり、抗菌作用を有していたが、エクソソームには抗菌タンパク質・ペプチドがほとんど含まれず、抗菌作用も弱いことがわかった。したがって、エクソソームは抗菌作用以外の働きによって、敗血症において機能している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、敗血症モデルにおいてLL-37によって放出されたエクソソームの機能解析をin vitroで行った。その結果、好中球由来の細胞外小胞エクトソーム(200 nm以上の大きさ)は、好中球由来の抗菌タンパク質・ペプチドを含んでおり、抗菌作用を有していたが、エクソソーム(約100 nmの大きさ)には抗菌タンパク質・ペプチドがほとんど含まれず、抗菌作用も弱いことから、エクソソームは抗菌作用以外の働きによって、敗血症において機能している可能性が示唆された。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、敗血症モデルにおいてLL-37によって放出されたエクソソームの機能解析をin vitroで行った。すなわち、マウスの盲腸を結紮・穿孔して敗血症を誘発した。そして、この敗血症モデルにLL-37を投与することによってエクソソーム放出を誘導し、放出されたエクソソームを精製し、得られたエクソソームの抗菌作用を解析した。なお、敗血症モデルにLL-37を投与すると好中球からエクトソーム(200 nm以上の大きさ)と呼ばれる細胞外小胞も放出されるので、エクソソームとエクトソームの抗菌作用について比較した。 その結果、エクトソームは、好中球由来の抗菌タンパク質・ペプチドを含んでおり、抗菌作用を有していたが、エクソソームには抗菌タンパク質・ペプチドがほとんど含まれず、抗菌作用も弱いことがわかった。したがって、エクソソームは抗菌作用以外の働きによって、敗血症において機能している可能性が示唆された。 そこで、次のステップでは、エクソソームに含まれる特有の成分(マイクロRNAやタンパク質)に着目し、それらの成分を次世代シークエンス(RNAシークエンス)法およびプロテオーム解析で分析することを予定している。
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Causes of Carryover |
今年度は、好中球由来のエクトソーム(200 nm以上の大きさの細胞外小胞)が、抗菌タンパク質・ペプチドを含んでおり、抗菌作用を有していたが、エクソソーム(約100 nmの大きさの細胞外小胞)には抗菌タンパク質・ペプチドがほとんど含まれず、抗菌作用も弱いことがわかった。したがって、エクソソームは抗菌作用以外の働きによって、敗血症において機能している可能性が示唆された。 そこで、次のステップでは、エクソソームに含まれる特有の成分(マイクロRNAやタンパク質)に着目し、それらの成分を次世代シークエンス(RNAシークエンス)法およびプロテオーム解析で分析することを予定しているため。
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Research Products
(19 results)