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2022 Fiscal Year Research-status Report

ケミカルバイオロジーを利用した濾胞制御性T細胞分化機序の解明

Research Project

Project/Area Number 20K07552
Research InstitutionKeio University

Principal Investigator

高橋 大輔  慶應義塾大学, 薬学部(芝共立), 講師 (40612130)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2025-03-31
Keywords濾胞制御性T細胞 / ケミカルバイオロジー
Outline of Annual Research Achievements

濾胞制御性T細胞 (follicular regulatory T cells: TFR細胞)は、自己抗原を認識するIgG抗体 (自己抗体)やアレルギー応答に関与するIgE抗体の産生を抑制す ることで、自己免疫疾患やアレルギー疾患の発症抑制に必須の役割を果たす。その分化機序については未解明な点が多い。
本研究では、in vitroのTFR細胞分化誘導系と、既知活性化合物やoff patent医薬品ライブラリーや放線菌由来の生理活性物質を組み合わせ、ケミカルバイオロジーの手法を用いることで、TFR細胞の分化に関わる分子を網羅的に同定する事を目的としている。さらに、TFR細胞分化誘導を持つ化合物を用いることで、TFR細胞を標的とした自己免疫疾患やアレルギー疾患の新規治療薬候補の検証を行う。
<既知活性化合物やoff patent医薬品ライブラリーについて> 2021年度以前に実施したTFR細胞分化誘導1次スクリーニングの結果を基に、2次および3次スクリニーングを実施した。これまでのところ、20以上の活性化合物を同定している。
<放線菌由来の生理活性物質について> 2022年度は、2021年度に実施した放線菌培養上清のTFR細胞分化誘導1次スクリーニングの結果を基に、2次および3次スクリニーングを実施した。1次スクリーニングではTFR細胞分化誘導能をイメージサイトメトリーの手法でスクリーニングしたが、2次および3次スクリーニングではフローサイトメトリー等によって、マルチパラメーターを解析した。その結果、そのうち5種類に絞り込んでいた候補培養上清の中で、最も活性の高いものを同定した。
同定した候補培養上清の中で活性画分の試みた結果、脂溶性画分にTFR細胞分化誘導活性を認めた。現在、画分中に含まれるTFR細胞分化誘導活性物質を同定中である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究課題は、申請書の研究計画に沿って、大きな問題を生じる事なく進捗していると考えている。
2022年度の当初計画の到達目標は、以下の2点である。
1. TFR細胞分化誘導を持つ化合物同定の3次スクリーニングとして、2次までに評価したFoxp3、Bcl-6、TCF-1、CXCR5に加えて、他のTFR細胞に特徴的な分子の発現に対して化合物が与える影響をフローサイトメトリーにて評価すること。
2. 同定した化合物や生理活性物質が、TFR細胞の機能に与える影響を評価すること。その為に、化合物で処理したiTFR細胞と、マウスから採取したB細胞とTFH細胞を共培養する事で、TFR細胞がTFH細胞によるB細胞の抗体産生を抑制する機能を評価すること。
上述のように、到達目標通りに3次スクリーニングまで実施し、既知活性化合物やoff patent医薬品ライブラリーからはTFR細胞の分化を促進する活性化合物を20種類以上同定している。放線菌由来の生理活性物質に関しても、生理活性物質同定の一歩手前まで進めている。TFR細胞がTFH細胞によるB細胞の抗体産生を抑制する機能を評価するという点については、未実施であるが、実験系の構築は完了している。従って、2023年度の初期に実施する予定である。

Strategy for Future Research Activity

・放線菌培養上清に含まれる生理活性物質を同定するために、活性画分のさらなる分画とNMRを実施する。
・ヒトのTFR細胞培養系も樹立済みであるので、マウスの細胞を用いて高いTFR細胞分化誘導能を示した既知活性化合物やoff patent医薬品ライブラリーの化合物、 放線菌培養上清がヒトのTFR細胞の分化誘導も行うのか評価する。
・高いTFR細胞分化誘導能を持つ化合物がTFR細胞の機能に与える影響を評価する。その為に、化合物で処理したTFR細胞と、マウスから採取したB細胞とTFH細胞 を共培養する事で、TFR細胞がB細胞の抗体産生を抑制する機能を評価する。
・既知活性化合物やoff patent医薬品で構成される化合物ライブラリーを使用する利点を生かし、計画3年目までに同定するTFR細胞の分化や機能に関わる分子の 役割を検証する。多数の候補分子が同定できると期待される事から、全てを対象とするのは困難である為、本研究計画では特に転写因子に着目する。TFR細胞を 用いて、CRISPR/Cas9システムでそれらの遺伝子発現を欠損させる、もしくは遺伝子を強制発現させ、TFR細胞の分化や機能に与える影響を、フローサイトメトリー やトランスクリプトーム解析を用いて評価する。
・同定するTFR細胞の分化誘導を促進する化合物を用いて、TFR細胞が発症抑制に重要な役割を果たす自己免疫・アレルギー疾患への治療効果を検証する。多数の 候補化合物を選抜できると想定される事から、iTFR細胞の分化や機能に与える影響の強さや、標的分子のTFR細胞以外での発現、合成の容易さ、経口投与時のバ イオアベイラビリティ等を総合的に考慮し数個選択する。自己免疫疾患モデルは、コラーゲン誘発性関節炎モデル、アレルギー疾患モデルはイエダニ抗原誘導ア レルギーを使用する。

  • Research Products

    (2 results)

All 2022

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results)

  • [Journal Article] Epithelial HVEM maintains intraepithelial T cell survival and contributes to host protection2022

    • Author(s)
      Goo-Young Seo*, Daisuke Takahashi , Qingyang Wang*, Zbigniew Mikulski, Angeline Chen, Ting-Fang Chou, Paola Marcovecchio, Sara McArdle, Ashu Sethi, Jr-Wen Shui, Masumi Takahashi, Charles D. Surh, Hilde Cheroutre, Mitchell Kronenberg (*equal contribution)
    • Journal Title

      Sci Immuno.

      Volume: 7 Pages: eabm6931

    • DOI

      10.1126/sciimmunol.abm6931

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] A Novel HDAC1-Selective Inhibitor Attenuates Autoimmune Arthritis by Inhibiting Inflammatory Cytokine Production2022

    • Author(s)
      Wei Zhe, Naomi Hoshina, Yukihiro Itoh, Toshifumi Tojo, Takayoshi Suzuki, Koji Hase*, Daisuke Takahashi* (*equal correspondence)
    • Journal Title

      Biol Pharm Bull.

      Volume: 45 Pages: 1364-1372

    • DOI

      10.1248/bpb.b22-00321

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2023-12-25  

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