2023 Fiscal Year Research-status Report
細胞競合における認識分子を利用した初期がん診断バイオマーカーの開発
Project/Area Number |
20K07630
|
Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
伊藤 祥子 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 研究員 (00584533)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | がんの初期発生 / ファージディスプレイ抗体ライブラリー / S100A10 / アネキシンA2 / アポトーシス / ROS |
Outline of Annual Research Achievements |
正常な上皮細胞とRasに変異を持つ上皮細胞を共培養すると、Ras変異細胞は正常な上皮層から管腔に押し出され、排除される。このような現象は細胞競合と呼ばれ、健康な上皮組織の維持のために重要な機構である。本研究は、ファージディスプレイ抗体ライブラリーによるスクリーニングにより、細胞競合に関わる新規分子の同定を目的としている。私は、このスクリーニングにより、管腔側に押し出された細胞において、S100A10/アネキシンA2が発現上昇することを発見した。更に、S100A10/アネキシンA2が細胞競合での変異細胞の押し出しのみならず、Ras変異による多層化形成に関わっているという新規機構を明らかにした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
今年度、本研究は順調に進めることができ、国際誌での発表も行えたため、上記のような評価を付けた。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究では、一部の分子機構について、まだ明らかになっていない。今後は、その部分についての解析を進める。
|
Causes of Carryover |
分子機構の一部について、さらに解析を進める必要があるため、その費用として、次年度使用額が生じた。
|
-
[Journal Article] Accumulation of annexin A2 and S100A10 prevents apoptosis of apically delaminated, transformed epithelial cells2023
Author(s)
Shoko Ito, Keisuke Kuromiya, Miho Sekai, Hiroaki Sako, Kazuhito Sai, Riho Morikawa, Yohei Mukai, Yoko Ida, Moe Anzai, Susumu Ishikawa, Kei Kozawa, Takanobu Shirai, Nobuyuki Tanimura, Kenta Sugie, Junichi Ikenouchi, Motoyuki Ogawa, Isao Naguro, Hidenori Ichijo, Yasuyuki Fujita
-
Journal Title
Proc Natl Acad Sci U S A .
Volume: 120(43)
Pages: e2307118120
DOI
Peer Reviewed
-