2021 Fiscal Year Research-status Report
ドライバー変異が惹起する発癌経路に基づいた血中新規バイオマーカーの探索
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20K07671
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Research Institution | Center for Clinical and Biomedical Research, Sapporo Higashi Tokushukai Hospital |
Principal Investigator |
小野 裕介 医療法人徳洲会札幌東徳洲会病院医学研究所, ゲノム診断研究部, 部門長 (40742648)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水上 裕輔 旭川医科大学, 医学部, 教授 (30400089)
唐崎 秀則 医療法人徳洲会札幌東徳洲会病院医学研究所, がん生物研究部, 客員研究員 (50374806)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | がん早期発見 / リキッドバイオプシー / 遊離核酸 / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
1)これまでに血中cfDNAについてのデジタルPCR二次元マルチプレックス展開によるKRAS・GNAS遺伝子の膵癌におけるホットスポット変異(KRASコドン12、GNAS コドン201変異)の同定解析系を構築し、微量組織からの高率な変異検出に成功した。二次元マルチプレックスデジタルPCRの結果についての学術論文を投稿中である。2)血中遊離RNA(cfRNA)の変異解析、および発現プロファイリング解析を行う予備実験として、細胞培養上清より抽出した遊離RNAを疑似検体とした精製・検出プロトコールの検討を行った。疑似検体として細胞培養上清より抽出された遊離RNAを使用し、デジタルPCRを用いたKRAS変異検出を行うための前増幅系を構築した。さらにバイオマーカーの検討として膵癌特異的に発現すると考えられる既知のlncRNAの検出を試みた。さらに、構築した系を用い、血漿cfRNA、その他膵液等の消化液から抽出したRNAについてKRAS、lncRNAの検出量を比較したデータを蓄積している。また、体液あたりの遊離RNAの高品質・高収量をめざし、核酸自動精製装置を含めたRNA抽出の検討を行っている。3)倫理承認済みの臨床研究「血液を使った低侵襲的な癌の診断に関わる研究」において登録された膵癌・IPMN症例の中から特徴的な症例について組織病理像と ターゲットパネルシーケンスによる詳細な組織遺伝子プロファイルを評価した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時において2021年度には、1)遊離RNAの単離に関する条件検討。2)構築した系を用いて臨床検体を用いたcfRNAの解析 を2点が大きな計画であり、上記概要にて述べたように、それぞれの点について実験・評価が進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
cfRNAの精製に関しては解析可能な収量が得られる系が構築されたものの、量的比較・低頻度のターゲット検出にはさらに 検討が必要と考えられ、条件検討を継続していく。 また、ゲノム編集により取得した膵癌細胞株における RNA-seqを実施し、その結果変動が大きな遺伝子について培養上清・血漿cfDNAでの検出と比較解析を進める。膵癌特異的なNon-codingのRNAバイオマーカー候補 についてもcfRNAからの検出を引き続き検討する。
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Causes of Carryover |
2021年度に予定していた臨床検体の解析は2022年度に重点的に行うことにしため、予算を繰り越した。
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Research Products
(14 results)