2021 Fiscal Year Research-status Report
アミノ基を有するPIP-CBI誘導体の創薬を指向した抗がん剤としての可能性の探求
Project/Area Number |
20K07710
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Research Institution | Chiba Cancer Center (Research Institute) |
Principal Investigator |
渡部 隆義 千葉県がんセンター(研究所), がん研究開発グループ, 研究員 (60526060)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高取 敦志 千葉県がんセンター(研究所), がん治療開発グループ がん先進治療開発研究室, 室長 (40455390)
越川 信子 千葉県がんセンター(研究所), がん遺伝創薬研究室, 主任上席研究員 (90260249)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ピロールイミダゾールポリアミド / アルキル化剤 / hTERT / KRAS / MYCN |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3本年度ではhTERT遺伝子配列を標的とした化合物CCC-030, NH2-CCC-030, aNH2-CCC-030及び2NH2-CCC-030のアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)を用いた配列認識能の評価及び正常なヒト繊維芽細胞HDF及び乳腺上皮細胞MCF-10aに対する毒性を確認し癌細胞との毒性の比較を行った。 ①合成した化合物が設計した通りのDNA配列を認識し、アルキル化反応を引き起こすかどうか検討した。標的配列を含む蛍光標識二本鎖DNAとCCC-030, NH2-CCC-030, aNH2-CCC-030, 2NH2-CCC-030の4種の化合物を反応させ、アルカリ加水分解処理を行ったのちにPAGEを行い、切断部位を検出した。その結果、アミノ基の導入により危惧された非特異的切断は検出されず、標的DNA配列のみで切断が確認された。更にアミノ基を導入した誘導体3種はCCC-030に比較してより強いアルキル化能を示すことを見出した。②4種の化合物を正常なヒト線維芽細胞HDF及び乳腺上皮細胞MCF-10に投与し、IC50を確認した。その結果、投与後72時間ではHDFに対しCCC-030, NH2-CCC-030, aNH2-CCC-030の3種では1μM以上、2NH2-CCC-030では951 nMのIC50が得られ、MCF-10aではCCC-030, aNH2-CCC-030で1μM以上、NH2-CCC-030で921 nM、2NH2-CCC-030で410nMのIC50が得られた。一方乳がん細胞株MCF-7に対するIC50はCCC-030= 208nM、NH2-CCC- 030= 46.5nM, aNH2-CCC-030= 50.1nM, 2NH2-CCC-03=19.2nMであり、これらの化合物は正常細胞では10倍上の低い毒性を有することが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本年度は昨年度から続くコロナ禍の影響によりPIPの合成試薬の納品が大幅に遅れていることに加え、本研究者が入院等で2ヶ月以上休職したため動物実験に大幅な遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、本年度で行う発現解析のため、がん研有明と共同研究でヒトがん細胞パネル(JFCR39)を用いた抗がん活性の確認及びhTERTの発現解析を行っている。また来年度は動物実験を行うため、現在ヌードマウスにMCF-7の移植を行い担癌マウスの作成を行っている。
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Causes of Carryover |
試薬の価格変動があったため合成ユニットの購入を控えたことから39,060円の差額が生じた。来年度はこの差額を含めて動物実験を行う予定である。
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Research Products
(4 results)