2021 Fiscal Year Research-status Report
データ統合フレームワークによる報酬動機づけ文脈の脳機能解析の特異性と信頼性の確立
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20K07727
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
地村 弘二 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (80431766)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 認知機能 / 意思決定 / 自制 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は大規模オープンリソースと独自に収集した実験データを統合的に解析するフレームワークにより,ヒト非侵襲脳計測実験で新しい仮説をテストしながら,信頼性と一般性を確保することを目的とする.本年度は,報酬に関連した意思決定における自制と認知がどのように関連しているのかを調べるために,機能的MRI・行動・心理検査のオープンリソースと互換性が高いオリジナル実験をデザインした.Human Connectome Project (HCP)で用いられているN-back作業記憶課題遂行中の脳活動を機能的MRIにより計測し,同じくHCPでデータが収集されている異時的意思決定課題により被験者の自制の度合いを調べた.そして,行動実験で得られた遅延報酬の主観的価値に基づいて,異時的意思決定の難しさを操作した意思決定課題(Jimura et al.Cereb Cortex 2018)遂行中の脳活動を計測した.機能的MRI装置および撮影パラメータはHCPと同等にした.すなわち,シーメンス社製のMRIで,多バンド加速グラディエントエコーエコープラナー法を用いて多バンドファクターを8にし,空間解像度2x2x2mm,時間解像度0.743秒の高時空間解像度を確保した.解析の結果,N-back課題の脳活動と意思決定の自制の度合いは,HCPの結果と一致していた.また,意思決定の難度に関連する脳活動は過去の研究(Jimura et al.2018)を再現していた.以上の予から,データ収集の継続をすると判断した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の新しい仮説を検証するための,適切な行動課題をデザインすることができた.2つ目の実験データを収集の収集を開始できた.そして,今回収集したデータは,HCPと過去の文献を再現させた.
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Strategy for Future Research Activity |
データが当初計画したサイズに達していないので,引き続きデータ収集を継続する.標準的な一変量の機能的MRIの解析に加えて,サーチライト多変量解析,深層学習を用いたマッピングの解析に着手していく.
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Causes of Carryover |
所要額と比較すると1%であり,次年度使用額はほぼないと認識している.この次年度使用額は,来年度の謝金になる予定である.
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