2020 Fiscal Year Research-status Report
Lipid-conjugated Heteroduplex oligonucleotide administration for ischemic stroke in the hyperacute phase
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20K07733
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
石橋 哲 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 非常勤講師 (30533369)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石黒 太郎 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助教 (20748587)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 核酸医薬 / 脳梗塞 / 人工核酸 / モデル動物 / 脂質リガンド |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度はin vitro, vivo 脳梗塞モデルを用い、虚血病態に適した脂質ライガンドのスクリーニングを実施した。 DNA/RNAヘテロ核酸(HDO)という、主鎖(DNA鎖)と相補的なRNA鎖からなる新規の人工機能核酸の独自技術は、従来のアンチセンス核酸やsiRNAに比べて劇的なin vivo遺伝子抑制率を示す。我々は脳梗塞超急性期における病変部位で脂質受容体の発現が増加することを見出しており、HDOに脂質ライガンドを結合することでHDOが受容体介在性に血液中から脳実質内へ細胞内輸送されることが可能だと考えられる。 神経細胞系及び血管内皮系のマウス培養細胞に対し一定時間無酸素無糖条件下においたin vitro脳梗塞モデルを用いて、異なる脂質ライガンドを結合したHDOをGymnosis法により細胞内に導入し、遺伝子抑制効果を評価し脂質ライガンドのスクリーニングを実施した。結果、αトコフェロールとコレステロールを候補とした。次にマウス脳梗塞モデルの超急性期に経静脈的に蛍光色素でラベルした脂質ライガンド結合型HDOを投与した。送達効率をプレートリーダー(TECAN)による蛍光強度の定量で評価したところ、トコフェロールを結合したHDOは脳梗塞病変部において非病変部と比較して7.8倍、コレステロールを結合したHDOは梗塞病変部で非病変部に比較して2.26倍送達効率が高かった。実際の生体内では虚血病態に適した脂質ライガンドとしてαトコフェロールが有用であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和2年度は当初の計画通り順調に研究を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度は、マウス脳梗塞モデルの超急性期に経静脈的に脂質ライガンド結合型HDO投与し、in vivoでの効果をさらに確認していく。蛍光色素でラベルした脂質ライガンド結合型HDOを投与し、虚血部位へのHDO集積の具体的な分布をin vivo共焦点顕微鏡で経時的に観察していく。また、脳組織内にユビキタスに発現するMALAT-1を標的として、細胞種ごとの遺伝子抑制効果をノザンブロットと定量的RT-PCRで、蛋白レベルではウエスタンブロットや免疫組織学的に検討する。
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Causes of Carryover |
COVID19流行に伴う緊急事態宣言下で、施設の研究が停止する期間があったため。次年度において、本年度使用予定であった研究費も含めて使用をすすめていく。
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