2021 Fiscal Year Research-status Report
Lipid-conjugated Heteroduplex oligonucleotide administration for ischemic stroke in the hyperacute phase
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20K07733
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
石橋 哲 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 非常勤講師 (30533369)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石黒 太郎 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助教 (20748587)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 脳卒中 / 核酸医薬 / モデル動物 |
Outline of Annual Research Achievements |
in vitroのスクリーニングで効果の高かった脂質ライガンド(トコフェロール及びLDLコレステロール)を選択し、脂質ライガンド結合型HDOのin vivoでの効果を確認した。マウス脳梗塞モデルの超急性期に経静脈的に蛍光色素でラベルした脂質ライガンド結合型HDOを投与し、送達効率を、虚血部位へのHDO集積をin vivo共焦点顕微鏡(Nikon, A1R+)で経時的に、さらに、プレートリーダー(TECAN)による蛍光強度の定量を行なった。送達効率は脂質ライガンドとして、トコフェロール及びLDLコレステロールが最も優れていた。脳実質への送達に関しては、非虚血側では脳血管内皮細胞のみであったが、虚血側では脳血管内皮細胞に加えて、神経細胞内にも送達できていた。 超急性期脳梗塞では脳血管関門(BBB)の破綻はおこらず、paracellular pathwayでの核酸医薬の実質内への輸送は困難であることから、脂質ライガンドが脂質受容体を介したtranscellular pathwayが、実質内への送達に関与したと考えたれた。実際に、LDLノックアプトマウスでは送達効率が低下していたことから、少なくとも一部はtranscellular pathwayによる送達であることが強く示唆された。 トコフェロール及びLDLコレステロールの送達効率の違いとして、LDLコレステロールライガンドは非虚血側でも多く送達されていたが、トコフェロールは非虚血側には送達が乏しく、虚血側での選択的な送達性に優れていた。 Malat-1を標的とした、遺伝子抑制効果もトコフェロール及びLDLコレステロールで同等に優れていたが、送達と同様にトコフェロールで虚血側での遺伝子抑制効果に優れていた。 脳梗塞などの虚血モデルでは、脂質ライガンドとしてトコフェロールが、その選択性の高さから優れていると考えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度に検討予定であった、脂質ライガンドでのin vivo脳梗塞モデルでの送達性や遺伝子抑制効果の違いを明確にすることができ、2022年度の検討課題である治療効果を見るために最適な脂質ライガンドを選択することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度までに得られたデータを参考に、実際の脳梗塞治療の標的となる遺伝子に対して、超急性期の経静脈投与による治療効果を確認する。虚血再灌流モデルや中大脳動脈永久閉塞モデルなどの複数のマウス脳梗塞モデルを作成し、標的遺伝子の抑制効果を解析し、脳梗塞体積などを定量する。さらにレーザードップラーや二次元血流計を使用した経時的な脳血流測定、神経学的予後を指標に標的遺伝子、投与タイミングなど最適化し、脳梗塞超急性期ヘテロ核酸静注療法を確立させる。
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Causes of Carryover |
計画は概ね順調に遂行出来たが、一部の実験はコロナ禍の影響もあり物品の搬入が遅れ遂行出来なかった。2022年度に、2021年度に行う研究の一部を遂行する予定である。
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