2021 Fiscal Year Research-status Report
Inhibition fo prion-like amplification of a-synuclein by aggresses
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20K07757
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Research Institution | Niigata College of Nursing |
Principal Investigator |
葛城 美徳 新潟県立看護大学, 看護学部, 准教授 (60401759)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野中 隆 公益財団法人東京都医学総合研究所, 認知症・高次脳機能研究分野, 副参事研究員 (30356258)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | パーキンソン病 / αシヌクレイン / Nrf2 / ROS |
Outline of Annual Research Achievements |
αシヌクレインのプリオン様増殖はパーキンソン病を引き起こすと考えられている。これまでの我々の研究から、ユビキチン特異的プロテアーゼ10(USP10)はアグリソーム形成を促進することでパーキンソン病(PD)発症を抑制する可能性が示唆されている。我々が今回発表した論文(J Biol Chem. 2022 Jan;298(1):101448.)では、USP10が、抗酸化剤Nrf2活性を刺激することにより、神経細胞のドーパミン誘発活性酸素種依存性アポトーシスを阻害することで、パーキンソン病発症を抑えうるということを示した。 Nrf2は、多くの種類の細胞における抗酸化転写活性化因子であり、その機能不全は、PDを含むさまざまなヒトの障害において重要な役割を果たしている。 PDは、PDの影響を受けた脳領域におけるドーパミン作動性ニューロンの選択的喪失を特徴としている。神経細胞のドーパミン治療は、活性酸素種(ROS)の生成を刺激し、ROS依存性の神経細胞アポトーシスを増加させる。この研究では、USP10が、Nrf2の抗酸化活性を刺激することにより、ドーパミンによる神経細胞のROS産生とROS依存性アポトーシスを減少させることを発見した。 USP10はNrf2活性化因子p62と相互作用し、p62のリン酸化を増加させ、p62とNrf2阻害剤Keap1との相互作用を増加させ、Nrf2抗酸化転写活性を活性化した。さらに、USP10はドーパミン誘発性のNrf2翻訳も増強した。これらの結果は、USP10が神経細胞におけるNrf2抗酸化活性の重要な調節因子であることを示しており、USP10活性化因子がPDを含む酸化ストレス関連疾患の有望な治療薬であることを示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画の2年目でUSP10とパーキンソン病(PD)に関する論文を投稿し、掲載されたため(J Biol Chem. 2022 Jan;298(1):101448.)。この論文はαシヌクレインのプリオン様凝集についてはあまりデータが含まれていないが、αシヌクレインのプリオン様増殖はパーキンソン病を引き起こすと考えられている。これまでの我々の研究から、ユビキチン特異的プロテアーゼ10(USP10)はアグリソーム形成を促進することでPD発症を抑制する可能性が示唆されている。我々が今回発表した論文では、USP10が、抗酸化剤Nrf2活性を刺激することにより、神経細胞のドーパミン誘発活性酸素種依存性アポトーシスを阻害することで、パーキンソン病発症を抑えうるという新たな機序を示したといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
αシヌクレインの変異体の凝集活性に与えるUSP10等の影響について解析を行うとともに、2021年度に発表したUSP10によるパーキンソン病抑制メカニズム(J Biol Chem. 2022 Jan;298(1):101448.)についても引き続き解析を継続する。
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Causes of Carryover |
2021年度、研究代表者は長期入院していた期間があったため、十分な研究活動が行えず、研究費を十分活用できなかった。2022年度には繰り越した研究費を活用し、さらに研究を進める予定である。
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