2021 Fiscal Year Research-status Report
低酸素誘導分子に着目した糖尿病性腎臓病機序解明-SGLT2阻害からのアプローチ
Project/Area Number |
20K07797
|
Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
槇野 久士 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 医長 (80399609)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細田 洋司 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 客員研究員 (40359807)
笠原 正登 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (50393351)
冨田 努 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 室長 (50402897)
孫 徹 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, オープンイノベーションセンター, 室長 (60572287) [Withdrawn]
吉原 史樹 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 部長 (70393220)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 糖尿病性腎臓病 / SGLT2阻害薬 / 血管新生分子 / エクソソーム解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
糖尿病性腎臓病(Diabetic kidney disease; DKD)は我が国の透析導入原疾患第一位である が、近年臨床的に用いられているSodium glucose transporter-2 (SGLT2)阻害薬は末期腎不全発症を予防できることが示された。本研究ではこのSGLT2阻害薬の腎保護作用に着し、本薬剤の糖尿病患者への前向き介入試験を行う事によって、特にこの薬剤の腎低酸素障害への影響を明らかにし、更にこの介入試験の尿サンプルを用いたエクソソーム解析を行うことによってDKDの新たな治療標的を明らかにし早期診断マーカーの開発を行う。具体的には対象患者は推定糸球体濾過量30ml/分以上で尿中アルブミン排泄が30-300mg/gCrの80歳以下の2型糖尿患者でHbA1cが6.5-10%の患者を対象とする。目標症例数はエンパグリフロジン群40例、プラセボ群40例の計80例とする。介入期間は24週で、試験期間中の降圧薬、脂質代謝治療薬の変更は行わない。この介入試験の運営に関しては分担研究者の笠原が担当する。介入前後(0,12,24週)において糸球体障害マーカーの尿アルブミン測定と尿細管障害マーカーの尿LFABP、尿中KIM-1,尿中NGAL測定とともに低酸素誘導因子であるアドレノメジュリン、ANGPTL-2、ANGPTL-4、VEGFの変化を測定し(これらのバイオマーカーの測定は分担研究者の細田、吉原が担当する)本年度は研究計画を完成させ、倫理委員会の承認を得た。またEDCシステムの構築、サンプルの解析体制を構築し、被験者登録を開始し現在目標症例数の90%以上まで登録が終了している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究はSGLT2阻害薬を糖尿病性腎臓病患者に投与し、その前後でサンプル収集を行うが、コロナ渦において被験者に頻繁に病院に来ていただくことが困難となり、研究への患者組み入れの開始の遅れと組み入れペースの遅延が生じたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
患者組み入れは遅れてはいるが、目標症例数の90%以上登録が終了しており、ベースラインサンプルが使用可能となった時点でこれを用いて、尿のエクソソーム解析を行うことにより特に低酸素誘導分子に注目して新規バイオマーカー、治療ターゲットとなり得る低酸素障害に関連するmicroRNAを探索する。エクソソーム解析、本試験のサンプル収集、管理に関しては分担研究者の冨田が担当する。
|
Causes of Carryover |
本研究はSGLT2阻害薬を糖尿病性腎臓病患者に投与し、その前後でサンプル収集を行うが、コロナ渦において被験者に頻繁に病院に来ていただくことが困難となり、研究への患者組み入れの開始の遅れと組み入れペースの遅延が生じたため、今年度購入を検討していた試薬等を次年度に購入し、使用する予定である。
|