2022 Fiscal Year Annual Research Report
A molecular epidemiological study of antimicrobial resistance in bacteria isolated in a prefectural area by using a One Health approach
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20K07815
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Research Institution | Kumamoto Health Science University |
Principal Investigator |
川口 辰哉 熊本保健科学大学, 保健科学部, 教授 (50244116)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野坂 生郷 熊本大学, 病院, 教授 (90398199)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 薬剤耐性菌 / ワンヘルス / 感染制御 / 地域ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、これまで同様の地域ネットワークによるMRSAや薬剤耐性腸内細菌科細菌の検出動向分析や分子疫学解析に加えて、当初の計画通りワンヘルスアプローチとして取り組んだ家畜(食鳥)の分析結果も得ることができた。 (1)臨床分離耐性菌の検出動向と分子疫学解析 MRSAの黄色ブドウ球菌に占める割合が毎年30%前後と減少傾向は認めず、その理由としてPOT解析により医療関連型MRSA(POT1値93タイプ)は減少するも、市中獲得型MRSA(POT1値106タイプ)が増加したためであることが判明した。この傾向は他の3施設でも同様であったが、必ずしも特定遺伝子型株が流行しているわけではなかった。 一方、腸内細菌科細菌に関しては6年間の地域データベース91,698株の分析から、カルバペネム耐性(CRE)は728株(0.8%)であり、経年的な増加は認めず、Enterobacter cloacaeとKlebsiella aerogenesで60%を占めることが判明した。検体収集されたCRE 82株の耐性遺伝子を調べたところ、約半数にβラクタマーゼ遺伝子が確認され、約4分の1がカルバペネマーゼであった。残りの耐性機序は不明であり、その解明は今後の課題である。 (2)食鳥の耐性菌保有状況および耐性遺伝子の解析 食鳥とヒトとの共通耐性菌として知られる基質特異性拡張型βラクタマーゼ(ESBL)産生菌に焦点を絞り、熊本県・近県の6養鶏場で育成された食鳥の盲腸便250検体からESBL産生菌の分離および耐性遺伝子の解析を試みた(研究協力者正木孝幸教授)。97検体(38.8%)からESBL産生菌が分離され、全て大腸菌であった。耐性遺伝子はCTX-M型が最多であり、大腸菌POT法やDNAシークエンスにより4つのクラスターに分けられ、養鶏場間でクラスター偏在が認められた。
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Research Products
(1 results)