2022 Fiscal Year Research-status Report
重症心不全領域の急性腎障害警告システム構築と腎機能の可逆性指標に関する基盤的研究
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20K07819
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
吉原 史樹 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 部長 (70393220)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福嶌 教偉 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 客員部長 (30263247)
細田 洋司 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 客員研究員 (40359807)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 急性腎障害 / バンコマイシン腎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)基礎研究として、バンコマイシン(VCM:vancomycin)誘発急性腎障害(AKI:acute kidney injury)マウスを用いて、AKI診断に尿中脱落尿細管上皮細胞(TEC:tubular epithelial cells)が利活用可能か検討した。 C57BL / 6マウス(9-10週齢、雄)にVCM 0、200、400、800 mg/kg(各群n=6-8)を1日1回、2日間投与し、翌3日目にサンプリングを行い、AKI重症度診断において脱落TEC解析の有用性が示唆される結果が得られた。 さらに、AKI診断後の早期治療方法確立に向けた基礎検討を実施した。生理活性ペプチドであるアドレノメデュリン(AM)が複数のAKIモデルにおいて臓器保護効果を持つことが報告されているため、AKIのリスク因子である慢性腎障害のモデルラットにAMを投与した場合の血中レベルの推移を測定し、AKI治療におけるAMの臨床応用に向けた検討を実施した。 (2)臨床研究として、「急性腎障害(AKI)警告システム構築に関する研究(バンコマイシンによる腎障害)」を当施設の研究倫理審査委員会へ申請し、研究実施の承認を得た(承認ID:R20067)。研究目的は、バンコマイシン投与患者を対象に投与前から投与後に尿サンプルを経時的に採取し、尿所見の特徴を同定し、腎機能、腎予後やバンコマイシン血中濃度を含めた臨床所見との関連性について検討する。研究デザインは単施設前向き観察研究。研究対象はバンコマイシン投与が予定された入院患者。主要アウトカムはバンコマイシン投与前と投与後の尿所見の変化である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
基礎研究、臨床研究を実施している。基礎研究に関しては、尿バイオマーカーや脱落尿細管細胞による急性腎障害の重症度指標の検討を実施した。臨床研究に関しては、新型コロナウイルス感染症の対策による負担増によって臨床研究が一時中断していた。また、職員の移動に伴い、研究実施体制の再構築を含めて研究計画書の改訂を実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
基礎研究に関しては、AdrenomedullinのAKI治療への臨床応用を想定し前臨床研究を実施予定。臨床研究に関しては、研究計画書に基づき、症例登録と尿サンプル収集を実施し、主に Liver-type Fatty Acid-Binding Protein、Neutrophil gelatinase-associated lipocalin、Adrenomedullinを定量し、急性腎障害の早期診断に寄与するか否かの検討を進める予定である。
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Causes of Carryover |
COVID-19蔓延に伴う、研究実施遅延があったため次年度に使用する必要が生じたため。 基礎研究としてAdrenomedullinのAKI治療への臨床応用を想定し前臨床研究を実施予定。臨床研究として研究計画書に基づき、症例登録と尿サンプル収集を実施し、急性腎障害の早期診断に寄与する因子の検討を進める予定であり、これらの運用に用いる。
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Research Products
(7 results)