2023 Fiscal Year Research-status Report
終末期がん患者の難治性症状に関するリアルワールド・レジストリ研究
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20K07837
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Research Institution | Japanese Organisation for Research and Treatment of Cancer |
Principal Investigator |
前田 一石 特定非営利活動法人JORTC, 臨床研究部門, 外来研究員 (70706639)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽多野 裕 特定非営利活動法人JORTC, 臨床研究部門, 外来研究員 (30516034)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 緩和医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
終末期がん患者ではランダム化比較試験等の実施が困難であり、またランダム化比較試験の集団と比べると、実臨床の集団は脆弱性が極めて高く、介入試験の結果をそのまま臨床応用できないという問題点がある。本研究は、緩和治療のレジストリ研究であり、終末期がん患者の難治性症状に対する薬物療法のリアルワールドでの安全性・有効性を明らかにすることを目的とした研究である。対象となる難治性症状および症状緩和治療について、あらかじめ研究協力者と協議してリアルワールドでの症例数、治療内容、アウトカム指標を整理したうえで、webベースのレジストリを用いて研究参加施設から臨床データを収集し、治療の安全 性・有効性を明らかにするという手順で研究を進める。2023年度は研究協力者と共同して、せん妄(Kurisu K, Maeda I et al. Support Care Cancer. 2024 Feb 8;32(3):147., Imai K, Maeda I et al. J Pain Symptom Manage. 2023 Jun;65(6):479-489.)、終末期鎮静(Maeda S, Maeda I et al. J Palliat Med. 2023 Nov;26(11):1501-1509.)、予後予測(Hiratsuka Y, Maeda I et al. J Hosp Palliat Care. 2023 Mar 1;26(1):1-6.)に関する臨床データをまとめて報告したことが主な成果である。収集したデータの論文化が完了していない課題があり、2024年度は研究期間を延長しこれらのデータの論文化、学会発表を行う。また、引き続き研究参加施設、データセンターと緊密な連携を取って、終末期がん患者に対する緩和治療のリアルワールドデータを得られる仕組みが継続されるよう調整を行っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初4年間で収集したデータのうち、論文化が完了していない課題が数課題(嘔気嘔吐、終末期の時系列データ等)あり、1年間研究期間を延長しこれらの完了を目指す。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間の1年間の延長が許可されたため、収集したデータの論文化が完了していない課題があり、これらのデータの論文化、学会発表を行う。また、本研究で構築された終末期がん患者に対する緩和治療のリアルワールドデータを得られる仕組みが継続されるよう調整を行っていく。
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Causes of Carryover |
当初予定していた対面での会議、学会出張旅費などを使用しなかったために繰り越しを生じている。一方、データマネジメントにかかる経費、論文校閲費・掲載料等は増加傾向であるため、それらの用途に充当する予定である。
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