2022 Fiscal Year Research-status Report
The development of method to activative immune tolerance involved in fertility
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20K07856
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Research Institution | Tohoku Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
小林 匡子 東北医科薬科大学, 薬学部, 講師 (50438561)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 免疫寛容 / 制御性T細胞 / 妊娠 / CTLA-4 |
Outline of Annual Research Achievements |
父親由来胎児組織抗原に対する母体の免疫反応は、胎盤に集積した制御性T細胞(Treg)により抑制されることで妊娠が維持されている。オウギ及びオウギ配合漢方薬(防己黄耆湯、帰耆建中湯、黄耆建中湯、桂枝加黄耆湯)が妊娠を維持するか調査するため、6週令BALB/c雌性マウスにこれらエキスを14日間自由摂取させた。4日間の休薬後コンカナバリンAを投与し、7日後にイソフルランにより安楽死させ脾臓を摘出した。脾臓から得た脾細胞は溶血後に固定透過し、各種蛍光標識抗体で染色した。フローサイトメトリーにより、リンパ球中のTreg含有率(CD4+CD25+Foxp3+Treg)、抑制性サイトカインIL-10陽性Treg含有率(CD4+Foxp3+IL-10+Treg)、T細胞抑制抗原CTLA-4陽性Treg含有率(CD4+Foxp3+CTLA-4+Treg)、細胞障害性Th17含有率(CD4+IL-17+Th17)を測定・分析した。さらに、6週令BALB/c雌性マウスにオウギ及び桂枝加黄耆湯エキスを14日間自由摂取させた後、10週令BALB/c雄性マウスと交配し、産仔数をコントロール群と比較した。コントロールと比較し、オウギはTreg、CD4+Foxp3+IL-10+Tregの有意な増加、CD4+Foxp3+CTLA-4+Tregの有意な減少、Th17の有意な増加を示した。また、オウギは濃度依存的に産仔数を増加させたが、オウギ配合漢方薬のうちリンパ球中のTreg含有率を最も増加させた桂枝加黄耆湯は産仔数増加を示さず、これはCD4+Foxp3+CTLA-4+Tregを有意に増加させT細胞活性化を抑制したことが原因と考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
妊娠時に起こるT細胞活性化と同様の状況を作り出すために、T細胞刺激薬のコンカナバリンAを雌性マウスに投与してT細胞を活性化し、全身性の免疫反応に寄与する脾臓中のT細胞をフローサイトメトリーにて測定・分析する方法に変更した。また、オウギによる脾臓の制御性T細胞の増加は、産仔数の増加に寄与することが分かったことから、研究方法の変更により目的を達成することができたと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
得られた研究成果を発信するため、国際学会での発表及び論文掲載を目指す。
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Causes of Carryover |
今年度は研究成果を発表するための学会参加費及び旅費を計上したが、学会がオンライン開催となり、旅費を使用する機会がなかった。よって、次年度に対面で行われる学会の為の旅費として使用する。
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